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滝野隆浩の掃苔記

遺族の子に話す言葉

 <滝野隆浩の掃苔記(そうたいき)>

 そのときは聞き流していたのに、なぜか心に残っている言葉がある。それはあとになって、何かの拍子に浮かんでくる。つい最近、こんな言葉を思い出した。

 「僕は遺族になった子供たちに、『おとうさん、おかあさんを治せなくてごめんね』って言うことにしているんです」

 地方で在宅緩和医療をしている40代の男性医師と話したのは、今年の夏前だったか。中学生の娘と小学生の息子を持つ母親が末期のがんで亡くなったという話が出た。そんなときの医療者の気持ちをずけずけ聞くと、彼は残された子供の話をしたのだった。詳しく聞くためにメールでやり取りした。

 彼は常々、子供たちに、親の重い病についてもきちんと伝え、手を握るなどの協力をしてくれるよう頼むという。親を支える、同じ仲間の感覚だ。だからこのケースでも「残念でした」ではなく、「ごめんね」になった。遺族の子にはみんなそう言う、と。

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