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関電3.2億円受領 不信呼ぶ還流の闇

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 関西電力の経営トップを含む幹部らが、原発立地自治体の関係者から金品提供を受けていた。電力会社と地元とを行き来する不透明な「原発マネー」が明るみに出たことで、東京電力福島第1原発事故以降強まる電力会社不信に拍車がかかるのは必至だ。今後の原発政策運営の難しさも増しそうだ。

 中元、歳暮、就任祝い、スーツ仕立券……。こうした名目で、高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(今年3月、90歳で死亡)から関西電力の役員ら20人に金品が流れていた。森山氏は工事受注手数料約3億円を地元業者から受け取っており、結果的に原発工事を巡るカネが地元業者から関電に「還流」していた形。高額の金品供与がなぜ行われたか、疑念の声が高まっている。

 関電の岩根茂樹社長は27日の記者会見で、自身が受領した物品は「就任祝い」だったと明らかにする一方、物品が何か、他に受領した役員は誰か、については言及を避けた。森山氏に地域対策上の協力を依頼していたため「関係悪化を恐れ、いったん預かった。他の役員から高額かもとアドバイスされ金庫で保管していた」という。発注した原発工事の資金が還流した認識があったかとの質問には「そのような認識はない。発注プロセスは適…

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