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岩間陽子・評 『日本近現代史講義 成功と失敗の歴史に学ぶ』=山内昌之、細谷雄一・編著

 (中公新書・972円)

 本書は、二〇一五年十二月から二〇一八年七月まで、自由民主党本部で行われた「歴史を学び未来を考える本部」での講義をもとに成立した。執筆陣は、編著者である山内昌之氏と細谷雄一氏の人脈が反映された人選となっている。明治維新以来の日本の近現代史を、全十三章にわたって、その分野を代表する中堅の脂の乗り切った研究者たちが論じている。

 本書第十三章で歴史観を論じた中西寛氏は、歴史のことを「時間軸における地図」と表現している。地図は決して現実ではない。現実をそのまま紙の上に写しても、情報量が多すぎて役に立たない。自分がどこから来て、今どこにいて、どこへ向かおうとしているのか。そのことを知るためには、現実の無数の情報を思い切って捨てて、必要な情報だけを取り上げねばならない。その時初めて、地図は意味を持つ存在として立ち現われる。

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