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社説

消費税率が10%に 納得できる国の将来像を

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 消費税率があす8%から10%に引き上げられる。導入から30年の今年、税率が2桁に乗る節目となる。

 日本総合研究所によると、家計の負担は1世帯平均で年3万円程度増える。痛みを求める以上、政府は効果的な使い道を考え、安心して暮らせる社会の将来像を示すべきだ。

 日本は急速な高齢化と人口減という構造変化に直面している。政府は膨張する社会保障費の多くを借金に頼り、その残高は1000兆円を超えた。無責任なつけ回しに歯止めをかけなければならない。

 消費税は高齢社会を支える貴重な財源だ。所得税や法人税と異なり税収が景気に左右されにくい。幅広い層が負担するため、人口が減っている現役世代に負担が集中しない。

 課題は低所得者ほど負担が重くなる逆進性だが、今回、食料品などは8%に据え置く軽減税率が導入される。痛税感を和らげ、消費の落ち込みを防ぐ効果が見込める。

 持ち帰りと店内飲食で税率が異なるなど消費者が戸惑う場面も予想される。だが消費税の重要性が増す中、軽減税率の果たす役割は大きい。

 店側は増税後の価格を明記したチラシを掲示するなど周知を図っているが、今後はさらに丁寧に対応してほしい。政府も人手の少ない中小店舗などへの支援に努めるべきだ。

 加えて混乱を招きそうなのは、約50万の中小店舗で始まるポイント還元である。軽減税率も含めると、何をどの店で買うかによって、負担する税率はもっと複雑になる。

 増税による景気冷え込みを抑える対策は必要だ。だが、これだけ分かりにくくなると逆効果だろう。

 もともと税率10%は自民、公明、旧民主3党による2012年の合意に基づく。ベースとなったのは、団塊の世代がすべて75歳以上となる25年度までの社会保障費の推計だ。

 高齢化のピークは、団塊ジュニア世代が65歳以上となる40年度だ。政府は社会保障費が25年度より3割超も多い約190兆円に膨らむと推計している。安倍晋三首相は「再増税は今後10年不要」と主張したが、負担増の議論は避けて通れない。

 高齢社会を乗り切れる社会保障制度を作り、必要な負担と給付の青写真を示す。そのうえで国民に理解を求めるのが政治家の役割だ。

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