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ネカフェ生活6年の男性に重い2% また路上生活か…とかすむ夢

男性(48)が暮らすネットカフェの個室。座椅子タイプで寝返りも打てない=東京都大田区で2019年9月30日午後5時17分、手塚耕一郎撮影(画像の一部を加工しています)

 消費税の2%増が、重くのしかかる人たちもいる。住まいがなくインターネットカフェに長期滞在する労働者は、税率が切り替わる30日から1日を、どんな思いで過ごしたのか。その姿を追った。

個室の天井を見つめる48歳の仕分け作業員

 パソコンの画面に浮かぶ時計が、1日午前0時を回った。「今の生活は数十円でも惜しい。増税で厳しくなるな」。東京都大田区のネットカフェ。首都圏の人材派遣会社と契約し、区内の冷蔵倉庫で仕分け作業員として働く男性(48)は、たばこのヤニで黄ばんだ、1畳ほどのスペースしかない個室の天井を見つめ、心の中でつぶやいた。

 棚や床には、衣料品や日用品を入れたかばんが無造作に並ぶ。身長184センチ。満足に足も伸ばせないこのネットカフェでの生活も、もうすぐ6年になる。

 運河に物流倉庫が並ぶ大田区には、荷降ろしなどの職を求めて日雇い労働者らが集まる。30日午後5時過ぎ。男性のネットカフェにも、作業服やスエット姿の中高年男性が次々と入店し、約220ある個室は、あっという間にほぼ満室になった。増税に伴う料金改定時間を尋ねると、店員は「1日午前8時」と答えた。

 都内の高校を卒業後、海外生活にあこがれオーストラリアに渡った。現地の会社で営業職として5年間働き、留学生支援のビジネスを始めた。業績は順調に伸び、日本人女性と25歳で結婚。1人娘にも恵まれた。だが、2000年代に入ると事業に陰りが見え始め、妻と娘を置いて日本に帰国した。

 都内の実家に転がり込んだものの、働く気はうせ、精神を病んだ。数年間引きこもりが続き、家族からも疎まれるようになった。「何かを変えなければ」。そう思い立って家を出た。所持金は30円。泊まる場所のあてもなく、多摩川の河川敷で夜を明かした。

 今の人材派遣会社で運良く職を得て、本格的にネットカフェ暮らしを始めた。週給約4万円で、手取りは月15万円程度。利用している「一番…

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