遠い硫黄島、かすむ墓参 元島民減少、子孫は付き添い限定 「歴史継承へ機会増やして」

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硫黄島の模型を前に語らう「全国硫黄島島民3世の会」のメンバー=川崎市内のホテルで2019年9月8日、森健太郎撮影
硫黄島の模型を前に語らう「全国硫黄島島民3世の会」のメンバー=川崎市内のホテルで2019年9月8日、森健太郎撮影

 太平洋戦争で激しい地上戦が行われた硫黄島(東京都小笠原村)で島民が強制疎開させられてから今年で75年。東京都は島を追われた島民1世の墓参事業を続けてきたが、高齢化で1世の人たちが減る中、子や孫にあたる2、3世たちにその歴史や文化をどう継承していくかが課題になっている。都は今年度中にも、元島民や子孫ら約400人を対象に事業継続にあたっての意向調査を実施し今後の事業のあり方を検討する。【曽田拓、森健太郎】

 硫黄島は現在自衛隊基地が置かれ、自由な上陸が認められていないが、墓参事業は1965年から行われ、80年からは東京都が正式な主体となって春と秋の年2回、自衛隊機を利用して実施している。当初は日帰りだったが、2010年から秋は現地に1泊できるようになった。定員は日帰り約50人、宿泊約30人だが毎回定員を超える申し込みがある。

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