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記者の目

ベネチアから見た日本映画界 野心に富む人材育成を=井上知大(東京学芸部)

ベネチア国際映画祭の会場。世界中から多くの映画関係者、ジャーナリスト、映画ファンたちが集まりにぎわった=イタリア北部ベネチア・リド島で2019年9月1日、井上知大撮影

 イタリアで8~9月に開催された第76回ベネチア国際映画祭を取材した。ベネチアは、カンヌやベルリンと並ぶ世界3大映画祭の一つで、最古の歴史を持つ権威ある映画祭だ。コンペティション部門に、是枝裕和監督の「真実」(日仏合作、10月11日公開)が出品され、映画関係者やファンらから高い評価を受けた。ただ、本作以外に話題に上った日本作品はなく、日本の存在感が薄かったことは否めない。また、是枝監督ら「常連」の作品ばかりが国際映画祭にノミネートされる現状も目の当たりにし、新たな人材の育成が急務だと感じた。

 昨年のカンヌで、是枝監督の「万引き家族」が最高賞「パルムドール」を受賞。受賞後の第1作となった「真実」は大女優とその娘の複雑な親子関係を描いたもので、日本人監督初の開幕上映作品となった。作品には、仏女優カトリーヌ・ドヌーブさんやジュリエット・ビノシュさんらが出演。製作費は約8億円で、大半は仏側の出資で映画文化を推進する仏国立映画センター(CNC)による助成が含まれる。是枝監督は「予算的には今まで僕が撮った映画の中でもかなり多い。海外の助成制度の充実は日本と比較にならない。(合作映画は)今後、増えるべきだと思うし、日本人が撮る日本語の映画が『日本映画』というくくり方をしなくてもいい」と語る。

 同様の助成制度は、隣国の韓国にもCNCに倣った、韓国映画振興委員会(KOFIC)があり、映画製作を国や業界を挙げて支援している。仏や韓国の助成額は数百億円規模に上る。一方、日本にはこうした公的な振興組織はなく、文化庁が映画製作の補助金として今年度約7億4000万円の予算を計上しているに過ぎない。是枝監督は「韓国映画界のあり方が100%正しいとは思わないが、各世代に国際的な競争ができる作り手が生ま…

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