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時代の波にもまれる日本企業や組織を描く「変革」第11部は、04年の球界再編問題から大きく変化してきたプロ野球のパ・リーグに迫る。

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第10部 マルハニチロ/11 被災工場、希望の光

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操業再開当時のマルハニチロ石巻工場=マルハニチロ提供
操業再開当時のマルハニチロ石巻工場=マルハニチロ提供

 2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生し、マルハニチロ石巻工場(宮城県石巻市)を激しい揺れが襲った。工場内の従業員は約200人。「日和山に逃げろ」。当時の工場長、山口龍一(61)は強く長い揺れに危険を感じ、裏山に逃げるよう指示した。津波が押し寄せたのは約1時間後。山口が山頂から双眼鏡をのぞくと、工場の屋根のすぐ真下まで津波が迫っていた。屋上に残った30~40人の従業員の無事は確認できたが、周囲では灯油などに引火して火災が発生。夜になると炎しか見えなくなった。「工場が燃えてしまう」。山口は朝が来るまでぼうぜんと見つめるしかなかった。

 石巻は旧ニチロが1947年に開設した冷凍食品の主力工場。天ぷらの揚げ方など女性従業員たちの熟練の技で、国内の八つの直営工場でトップクラスの利益率を上げていた。

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