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揺らぐ香港

中国が建国70周年を迎えた10月1日、香港では抗議活動に参加した男子高校生の左胸に、警官の発砲した銃弾が命中した。習近平国家主席は北京での演説で「民族の団結」を訴えたが、香港では「中国化」を拒む声がますます高まる。出口の見えない混乱は、異質な大国と向き合う難しさを国際社会に突きつけている。

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中国建国70年/上(その1) 中国から「亡命」、自主製作映画の旗手 「自由失う香港 見たくない」

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香港の大学で、映画製作のワークショップを開く映画監督、応亮さん=香港で9月11日
香港の大学で、映画製作のワークショップを開く映画監督、応亮さん=香港で9月11日

 香港で「逃亡犯条例」改正案の審議がヤマ場を迎えた6月12日の夜明け、映画監督の応亮さん(42)は立法会(議会)前の歩道橋の上にいた。生まれ育った中国を逃れ、2012年から香港で事実上の亡命生活を送っている。

 100日以上続く香港の抗議デモは、中国への犯罪容疑者の引き渡しを可能にするこの条例改正案がきっかけ。応さんは条例改正によって中国側に引き渡されるかもしれない、との不安に直面する当事者だ。審議は粛々と進み、妻と2人の息子と共に香港を去る決意を半ば固めていた。

 「中国で自由を奪われた私の境遇が、香港住民全体に広がるのを目にしたくない」。この思いを胸に、前の晩から文化人有志とともに抗議のハンガーストライキに取り組んでいた。

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