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社説

関電金品受領で再会見 驚くべき企業倫理の欠如

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 公益企業としての責任感の欠如に驚くばかりだ。

 関西電力の幹部ら20人が福井県高浜町元助役の森山栄治氏(故人)から約3億2000万円の金品を受け取っていた問題で、関電の岩根茂樹社長が2度目の記者会見を行った。

 前回の記者会見で金品受領の詳細を説明しなかったことに批判が集まり、昨秋の調査報告書を公表した。

 浮かび上がったのは、原発事業を通じた関電と森山氏の異様な癒着構造である。現金や商品券など1億円以上が豊松秀己元副社長と鈴木聡常務執行役員にそれぞれ渡っていた。

 関電の原子力事業本部は2005年に本社から福井県に移転し、鈴木氏は本部長代理を務め、豊松氏は本部長を務めた。襟をただすべき役職にありながら億単位の金品を受領していたことにはあきれるほかない。

 社長に対しては就任祝いの袋に金貨が入っていたという。まるで悪代官が登場する時代劇のような話だ。金品の提供が常態化している事態に社長は危機感を持たず、関電は組織的対応を怠っていた。

 国税当局の調査が入ってから社内調査を始め、その事実や結果を取締役会に報告しなかったのは事実上の隠蔽(いんぺい)といえる。社内のコンプライアンス以前の背信行為だ。

 それにもかかわらず、処分は、八木誠会長と豊松氏が報酬の2割を2カ月返上したのが最も重く、鈴木氏は厳重注意にとどまる。一般企業の常識では考えられない軽さだ。

 関電は「各個人が我慢を重ねて対応してきた」とまるで森山氏から金品攻勢を受けた被害者であるかのように説明した。「預かった」として違法行為はなかったとも主張した。しかし、約1億6000万円分の返却は国税の調査以降だったという。

 金品の資金は森山氏が顧問を務めた原発関連事業受注企業から流れたとみられている。関電から資金が「還流」した形だ。消費者に対する裏切りである。経営責任は免れない。

 関電は第三者委員会で引き続き調査を進めるという。関電は工事発注に関して情報提供をしてきたことを認めている。金品の授受への見返りではないと主張するが、資金の流れや金品の趣旨は解明されていない。

 徹底的な調査ができないなら、原発事業を担う資格はない。

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