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氷河期支援「35~44歳」に疑問の声 国「統計上、割り切るしか」

埼玉県の就職氷河期支援プロジェクトを紹介するホームページ。「おおむね35~44歳」が対象と記載している

 応募が殺到した兵庫県宝塚市による就職氷河期世代の正規職員採用試験で、対象年齢を36~45歳(来年3月末時点)と設定したことに対し、「40代後半はだめなのか」などの抗議が相次いだ。氷河期は政府の資料や報道でも「35~44歳」と表現されることが多く、政府が来年度から始める支援プログラムに対しても、SNS上で「自分も氷河期世代なのに対象外」などの声が上がっている。対象はどこで区切るべきなのだろうか。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】

 宝塚市が8月に募集した氷河期世代の職員は「3人程度」で、対象は「1974年4月2日~1984年4月1日生まれの高卒以上の人」。つまり、今年度末時点で36~45歳だ。1816人の応募があり、1635人が1次試験を受けた。競争率は545倍に上った。同市人材育成課の担当者は「例年、新卒採用で応募がある500人程度を想定していたが、ここまで多いとは思わなかった。会場確保が大変で、急きょ近くの大学を使えることになり、なんとか実施できました」と話す。

 対象年齢の設定の理由を尋ねると、「政府の資料で、『就職氷河期の中心層が35~44歳』という記載があり、引用している統計調査が2018年だったので、1歳ずつ足しました。それと、今いる職員の年齢構成で40代前半がかなり少ないことや管理職になるまで10年程度かかることも考慮し、45歳ぐらいが上限と考えました」という。これに対し、「対象から1歳ずれているけどなんとか受けられないのか」「自分も就職氷河期なのに年齢で切られるのはおかしい」などの抗議や問い合わせが電話やメールで少なくとも15件寄せられ、市議会でも議員から指摘があったという。担当者は「氷河期世代の採用は3年程度続ける予定。いただいた意見を参考に、来年からの拡大を含めて検討したい」としている。

 そもそも、就職氷河期に定義はあるのか。厚生労働省が8月30日公表した「就職氷河期支援施策の取組について」を見ると、氷河期世代を「概ね1993(平成5)年~2004(平成16年)年に学校卒業期を迎えた世代を指す。その中心層の35~44歳で『正規雇用を希望していながら現在は非正規雇用で働いている者』は約50万人(35~44歳人口の3・0%)……」などと記載。担当者は「93~04年とした根拠は、就職を希望しながら決まらないまま卒業した『未就職卒業者』の数です。グラフにすると2000年の12万人をピークに前後で多い年が続いており、バブル崩壊後のだいたいこの期間が新卒の就職が厳しかったとみている」と説明する。

 雇用問題に詳しい常見陽平・千葉商科大専任講師(労働社会学)によると、「就職氷河期」という言葉は92年秋に就職情報誌で初めて登場し、94年の新語・流行語大賞の審査員特選造語賞に選ばれた。常見氏は「就職氷河期やロスジェネはかっちりした定義はないが、93~04年は経済や雇用状況と考え合わせても一般的に言われてきた時期と一致し、妥当だ」と話す。

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