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余録

道楽が過ぎて勘当された若旦那…

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 道楽が過ぎて勘当(かんどう)された若旦那、おじに救われて始めたカボチャの行商といえば落語の人情話「唐茄子(とうなす)屋政談」である。上方で「南京(なんきん)屋政談」というのは、そちらではカボチャを南京と呼んでいたからである▲カンボジアに由来するというカボチャはもちろん、唐茄子や南京の名からも渡来作物なのは広く知られていたようだ。渡来したのは16世紀というが、江戸時代も半ばまでは毒があるなどといわれ、あまり一般に流通しなかったらしい▲江戸では文化年間に3貫(11キロ)のカボチャが将軍に献上されたり、歌舞伎の当たり演目のせりふに織り込まれたりした。もしや背後に知恵者の唐茄子屋のカボチャPR作戦でもあったのか。おかげで若旦那も行商で身を立て直せた▲夏の太陽の恵みをたっぷり蓄えて秋から冬に運び込んでくれるカボチャである。冬至に食べて風邪を防ぐという習慣も唐茄子屋が仕組んだのかもしれない。だが近年のハロウィーンの盛況にはさすがの江戸の知恵者たちも感服しよう▲ジャック・オ・ランタンとはハロウィーンの亡霊に由来するカボチャのちょうちんである。この季節、オレンジ色のカボチャの妖怪の顔が街のあちこちを飾る。食用ではなく装飾向けの観賞用カボチャもよく店に出回るようになった▲むろんカボチャを使った料理やお菓子もハロウィーンの演出に一役買っている。外国行事に便乗した商機盛り上げの新たな成功例となったハロウィーンだが、またもそれにみごと乗ったカボチャもえらい。

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