メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

トランプ氏に新疑惑 外交の私物化は許されぬ

[PR]

 トランプ米大統領に新たな疑惑が浮上した。民主党のバイデン前副大統領に関する疑惑を捜査するようウクライナのゼレンスキー大統領に電話で政治圧力をかけたという。

     バイデン氏は2020年米大統領選の民主党指名争いに出馬している有力候補だ。事実なら、トランプ氏が政敵を追い落とすために外国政府を利用しようとしたことになる。

     米大統領の職権乱用が疑われる事態だ。トランプ氏は電話記録を公表して「圧力」を否定したが、野党・民主党は「国家への裏切りだ」と批判し、米下院は大統領の罷免にもつながる弾劾に向けた審査を始めた。徹底した調査が求められよう。

     電話記録によると、トランプ氏は今年7月、ゼレンスキー氏に「バイデン氏が息子に対する訴追をやめさせたなどのうわさが数多くあり、多くの人が真相究明を望んでいる。調べてもらえないか」と持ち掛けた。

     バイデン氏は副大統領だった16年、ウクライナの検事総長の解任を求めたという。当時、検察はバイデン氏の息子が役員を務めるガス会社を捜査対象としていた。

     トランプ氏はバイデン氏が不正介入したとみている。バイデン氏も疑惑解明に説明責任を果たすべきだ。

     解せないのは、トランプ氏が電話に先立ってウクライナへの4億ドル(約429億円)相当の軍事支援を一方的に凍結したことだ。バイデン氏への捜査着手を引き出すための取引材料にしようとしたのではないかとの疑惑が出ている。

     ウクライナは軍事面で米欧を頼りにしている。「圧力」を示す明確な言質はなかったにせよ、安全保障を人質に利益誘導を図ろうとしたのであれば、外交の常道を逸している。

     下院は政権内部からの告発文書を公表した。それによると、ホワイトハウスが電話記録の隠蔽(いんぺい)工作を図っていたという。大統領の言動が公になるのを恐れたからではないか。

     告発文書の公表は下院のほぼ全会一致で決まった。大統領の権力行使には与野党問わず目を光らす米議会の姿勢が表れているといえよう。

     米国指導者の言動は国際政治に大きな影響を与える。それを意に介さないトランプ外交は世界の火種となっている。是正されないなら米国の威信は低下するばかりだ。

    コメント

    投稿について

    読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

    ※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

    利用規約

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 八戸女児切りつけ 殺人未遂容疑で14歳少年を逮捕 「殺すつもりだった」供述

    2. 八戸女児切りつけ 殺人未遂容疑で少年を緊急逮捕

    3. 原発事故、安倍政権扱った作品問題視か ウィーンの芸術展、日本大使館が公認取り消し

    4. 青森・八戸で女児が見知らぬ男に首切られる 防犯カメラに男の姿

    5. 「桜を見る会」参加の山口県議ら、ブログ削除相次ぐ

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです