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第69期王将戦リーグ特選譜

竜王戦直前の直接対局 広瀬竜王が豊島名人を大差で退け2勝目

広瀬章人竜王

 1週間足らずのうちに2棋戦のタイトル戦が終了した。王位戦七番勝負と王座戦五番勝負で、前者は46歳の木村一基新王位が初タイトルを獲得。後者は永瀬拓矢新王座が叡王とともに2冠を獲得した。

 そして将棋界の暦は、年内最後のタイトル戦、竜王戦七番勝負へ移る。10月11、12日の第1局で開幕し、12月18、19日に第7局が予定されている。今期の対局者は広瀬章人竜王と豊島将之名人、すなわち本局の対局者だ。

 リーグ戦の抽選では4回戦の対局だが、七番勝負を控えた両者のスケジュールを考慮してか、繰り上げて七番勝負開幕前の対局日程になった。この日から将棋会館内に竜王戦のポスターも掲示された=▲が先手、△は後手。

<第69期大阪王将杯王将戦リーグ4回戦>

2019年10月3日

持ち時間各4時間

場所・将棋会館

▲広瀬章人竜王(1勝)

△豊島将之名人(1勝)

▲7六歩1 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀

▲2六歩 △4二銀 ▲2五歩 △3三銀 ▲7八金 △3二金

▲4八銀 △8五歩 ▲5六歩 △5四歩 ▲6九玉 △7四歩

▲5八金1 △5二金 ▲3六歩 △7三桂4 ▲6六歩5 △6四歩

▲6七金右 △4一玉 ▲7九角 △6三銀 ▲9六歩 △4四銀19

▲3七桂3 △8一飛8 ▲2四歩6 △同 歩 ▲同 角 △2三歩

▲6八角 △9四歩7 ▲7九玉8 △1四歩1 ▲1六歩7 △5五歩12

▲5七銀21(第1図)

 広瀬は昨年、羽生善治竜王(当時)に挑戦して4勝3敗で奪取、初めて竜王の座に就いた。羽生に前人未到の通算100期がかかっていたため注目を浴びたが、重圧に負けずに堂々と戦ってタイトルを制した。しかし、その後、棋王に挑戦したものの渡辺明棋王に1勝3敗で敗れ、その前後で敗戦が相次いだためタイトル戦登場の機会はなかった。初防衛をかけて、豊島と戦う。

 前期竜王戦で盤をはさんだ羽生はこの日、同じ特別対局室でA級順位戦を渡辺明王将と指している。現代将棋界の最高峰の4人が集った豪華版の1日。▲羽生―△渡辺戦は角換わりの戦いになったが、本局は矢倉の出だしになった。例によって豊島は時間を使わずに序盤を指し進める。本局、角換わり戦の展開も十分に予想されたが、矢倉になっても豊島の研究は行き届いているのだろうか。

 第1図以下の指し手

△3五歩4 ▲同 歩 △5六歩10 ▲4六銀 △3六歩26 ▲2五桂1

△6五歩 ▲3四歩17 △2四歩1 ▲5三歩9 △4二金右2▲5六金10

△6六歩1 ▲3三歩成7△同 桂1 ▲同桂成 △同 銀24 ▲2三歩5

△同 金9 ▲3五桂 △3四銀 ▲2三桂成32△同 銀  ▲6二金11(第2図)

 豊島は今年5月、佐藤天彦名人(当時)に4連勝し、名人初挑戦で初獲得の快挙を達成した。しかし、その後の棋聖戦五番勝負では渡辺に1勝3敗、王位戦七番勝負では木村に3勝4敗で連続失冠し、名人を保持するのみになった。挑戦者決定三番勝負では2勝1敗で木村を破り手にした竜王への挑戦権。奪取にかける意気込みは言うまでもない。

 以前は矢倉戦といえば、ほとんど相矢倉だったが、最近は本格的な相矢倉はほとんど指されず、さまざまな工夫が凝らされている。本局の豊島は急戦矢倉の作戦をとった。米長邦雄永世棋聖らが得意としていた印象がある。第1図までのポイントは広瀬が▲4六歩と突かずに駒組みを進めたことで、第1図以下▲4六…

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山村英樹

1981年入社。青森支局を経て1986年から東京学芸部で囲碁将棋などを担当。

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