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社説

テコンドー協会の混乱 選手に不利益許されない

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 東京五輪まで300日を切る中で、またも競技団体のガバナンス(組織統治)の問題が浮上した。

 全日本テコンドー協会と強化選手との対立が深刻化している。協会が計画した9月の強化合宿に大半の選手が参加せず、指導体制への不満が露呈した。協会は選手側と協議の場を持ったが、溝は埋まっていない。

 選手側は6月に合宿などでの待遇改善を求める意見書を提出していた。過去の国際大会では選手の信頼を損ねる強化スタッフの言動もたびたびあったが、協会の対応は不十分で不満は募っていたようだ。

 2008年から協会トップの座に就く金原昇会長の資質そのものにも疑問の声が上がっている。週刊誌が反社会的勢力との関係を報道し、選手の立場を代弁する協会のアスリート委員会が、コンプライアンス委員会に調査を依頼した。事実なら、見過ごせない。

 テコンドーは00年シドニー五輪で正式競技に採用されたが、その後、国内組織は内紛によって分裂した。4年後のアテネ五輪は統括団体が決まらず、シドニー五輪銅メダリストの岡本依子さん(現全日本協会副会長)は個人資格で参加した。

 社団法人となった全日本協会が統括団体として日本オリンピック委員会(JOC)に正式加盟したのは07年で、組織の正常化までに長い年月を要した経緯がある。

 協会の運営形態も揺れている。12年には税制優遇を受ける「公益社団法人」に移行した。しかし、補助金による専任コーチの報酬の一部が金原会長に渡って簿外処理されるという不適正な会計が発覚した。

 内閣府から改善勧告を受けたが、協会は自ら「公益法人」を返上した。現在は「一般社団法人」であり、公益法人ほど厳格な審査は及ばない。公益認定の取り消しが、組織の緩みにつながったようにも映る。

 8日には理事会が開かれる。混乱が長期化し、五輪参加をめぐって選手に不利益が生じる事態は避けなければならない。

 理事会の刷新を含め早期の解決が望まれるが、協会の自浄能力には疑問符がつく。五輪の選手派遣に責任を持つJOCが調査に乗り出している。混乱収拾には、やはりJOCが指導的役割を果たすべきだ。

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