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にほんでいきる

外国からきた子どもたち 「支援学級」で学ぶしか 日本語教室、教員少なく 校長「全員フォローできない」

上野西小の特別支援学級で算数の問題に取り組む外国籍の児童=三重県伊賀市で(画像の一部を加工しています)

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 日本語を学ぶ「日本語教室」の体制が十分でないため通常学級に在籍したものの、授業が理解できない外国籍の子どもは少なくない。こうした場合、通常学級で「無支援状態」に置かれるよりも、少人数指導が基本の「特別支援学級」への在籍を希望する保護者もおり、外国籍の子どもの特別支援学級在籍率が日本人を上回る要因の一つになっているとみられる。【奥山はるな】

     大阪と名古屋の中間に位置し、交通の利便性から製造業の工場が集まる三重県伊賀市。日系ブラジル人やペルー人の労働者が多く、人口の約6%が外国籍だ。同市立上野西小学校も、児童数711人のうち外国籍児が60人超を占める。このうち1割超の7人が特別支援学級(全児童数47人)に在籍している。

     「『ふんそく(分速)』って分かる?」。特別支援学級で講師を務める森川佳予子さんが、小学6年のブラジル国籍の男児に問いかけた。男児は少し考えた後、「1分あたりに歩く速さやな」と答えた。この日、取り組んでいたのは算数の文章題。家から駅へと歩く父親を子どもが自転車で追いかけ、忘れ物を届けられるか計算する。

     森川さんは文章題をゆっくりと音読し、設問を具体的にイメージできるよう「父親」「自転車に乗った子」「家から駅への道のり」を絵にしたステッカーを黒板に張った。特別支援教育でも用いられる「視覚支援」だ。

     「外国にルーツがある子は、言葉がたくみでも意味を勘違いしていることがある」。森川さんがそう話すように、男児は小学校入学前に来日し、日本語を不自由なく話せるが、45分の授業時間中に正答できなかった。

     同小の特別支援学級は、障害の種別によって9クラスに分かれている。各クラスに常勤講師が1人ずつ配置され、男児のクラスは日本人5人と合わせ計6人の児童がいる。一方で、日本語指導の体制は十分とは言えない。校内の日本語教室の教員は、常勤2人と非常勤1人の計3人。60人超の外国籍児の中から「特に必要な児童」しか受け入れられないのが現状だ。岩崎清悟(きよさと)校長は「日本語指導が必要な児童全員をフォローできていない」と打ち明ける。

     日本人と一緒に学ぶ特別支援学級の外国籍児が通常学級に戻った事例は、同小では少なくとも過去2年はない。岩崎校長は「少人数で指導が受けられることもあり、特別支援学級に在籍する外国籍児の保護者が『通常学級に戻したい』と希望することはあまりない」と話す。

     外国籍の子どもの発達障害に詳しいNPO法人アジャスト(愛知県犬山市)の清長豊代表理事は「日本語教室で学ぶ外国籍の子どもに関しては、日本語を習得すれば通常学級に戻すのが原則。日本語教師が不足しているため特別支援学級で日本語を学ぶという選択肢もあり得るが、日本語を習得すれば通常学級に戻れるという仕組みを作ることが重要だ」と指摘する。


     ■ことば

    特別支援学級

     障害のある児童生徒のため小中学校の中に置かれた少人数の学級。2006年6月の学校教育法改正に伴い「特殊学級」から名称が変更された。知的障害や自閉症・情緒障害、肢体不自由などの学級があり、障害の程度に合わせた教育を実施する。入級にあたっては保護者や専門家の意見を聞き、各教育委員会が判断する。17年度で特別支援学級に在籍する児童生徒数は約23万6000人。発達障害を含む「自閉症・情緒障害」と、知的障害の合計が全体の9割強を占めている。

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