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スミレの香り

/120 馳星周 画 田中靖夫

 外に出ると、柴田はベルツに電話をかけた。

「今すぐ行けば、時間を作ってくれるそうだ」

「収穫があるとは思えないがな」

 わたしは言った。

「事件の捜査というのは、無駄と思えることの繰り返しだ」

「もっと手っ取り早い方法があるぞ」

「なんだ?」

「戸崎に直接訊(き)くんだ。真波を知らないかとな」

「馬鹿を言え。おれはサツカンだぞ」

「その前に父親だろう。真波が心配だろう? 時間が経(た)てば経つほど、真波が無事でいる確率が小さくな…

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