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社説

幼保無償化スタート 人材の確保で質の向上を

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 幼児教育・保育の無償化が10月から始まった。今後は、保育の質を高める努力がより求められる。

 最も懸念されるのは、保育士らの人数などが国の基準を満たさない認可外施設も、当面は無償化の対象となっていることだ。

 やむなく認可外施設を利用している保護者への配慮だが、職員数が基準を下回れば、子どもの命にもかかわりかねない。ここ4年間の保育所などでの死亡事故の約6割は、認可外施設で起きている。

 死亡リスクの高い昼寝の時間帯などに自治体が抜き打ち調査をして、効果を上げている例もある。園長経験者らがアドバイスする巡回支援指導員の活用と併せ、取り組みが広がるよう期待したい。

 認可施設でも保育の質には課題がある。待機児童解消のために施設を急ピッチで増やす中、保育士不足に拍車がかかっているためだ。

 無償化で保育所利用を希望する人が増え、待機児童や保育士不足の解消が遠のくとの懸念は消えない。

 人手不足で職場に余裕がなくなれば、公園への散歩にも出られない。経験の少ない保育士が増えて「乳児に怒鳴る保育士がいる」と関係者は指摘する。しわ寄せを受けるのは子どもたちで、「保育の質の底が抜けているのではないか」という声さえ聞こえてくる。

 質の確保には、保育士の専門性を高め、十分な配置を実現することが不可欠だ。

 資格はあるが今は保育士として働いていない人材は数十万人規模でいる。研修を受けて現場に出てもらえるようにすることは、保育士確保に欠かせない。

 保育士のさらなる待遇改善も必要だが、人件費に十分お金が回っていない施設の存在も指摘されている。東京都世田谷区は、人件費比率が50%を切る施設には区独自の補助金を出さず、改善を促している。

 保育施設は、単に子どもを預かっているだけではない。子どもの貧困や虐待に気づき、他の行政機関と連携して支援する役割も求められる。 幼保無償化も待機児童の解消も、少子化対策として国が旗を振っている。実務を担う自治体任せにせず、国がいっそうの責任を持って取り組むべきだ。

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