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余録

「それにしてもきょうの長嶋の三振ぶりは…

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 「それにしてもきょうの長嶋(ながしま)の三振ぶりは、当人には気の毒だが大変面白かった。当分語り草になるだろう」。作家の尾崎一雄(おざき・かずお)が書いたのは長嶋茂雄(しげお)選手がデビュー戦で金田正一(かねだ・まさいち)投手に喫した4連続三振である▲「当分」どころか日本プロ野球史の不滅の名場面として今も語り伝えられる一幕である。若きスーパースターが最初にきりきり舞いしたこの1958年は、やがて400勝投手となる金田さんの歩みの中でもひときわ輝いた年だった▲ふつう空前はあるが絶後はないスポーツの記録だ。だが通算400勝も、14年連続20勝もすでに空前絶後だろう。そして58年は6月にシーズン20勝目と24歳での通算200勝を記録、その間に64回3分の1の連続無失点記録も作った▲しかもチームは国鉄という弱小球団である。投手の肩を大切にする今日ではありえぬ数字に息をのむ。「初めから巨人なら500勝した」「球速を測れたら180キロ」など後年のサービス精神豊かな大言壮語(たいげんそうご)も半分は自負に違いない▲「われわれは今の子がマネをしようと思ってもできないような、ものすごい野球をしていた」。自身の健康術を振り返る中での言葉で、ありがちな“昔自慢”とは違う。豪快な連投を支えた人知れぬ自己管理のドラマをうかがわせる▲ノーサインといわれた国鉄時代だが、金田さんは当時の捕手・根来広光(ねごろ・ひろみつ)さんが亡くなった時の弔辞で2人だけのサインの存在を明かし、「また会おう」と結んだ。もう天国ではバッテリーを組んだろうか。

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