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社説

代表質問への首相答弁 「関電」「かんぽ」は人ごとか

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 安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問がきのう、衆院本会議で始まった。

 長らく行われてこなかった国会論戦だ。最初に登壇した立憲民主党の枝野幸男代表の質問が内政から外交まで多岐にわたったのは当然だ。

 だが首相の答弁は相変わらずおざなりで、とりわけ関西電力役員らの巨額な金品受領問題については、まるで人ごとのようだった。国民に対して不誠実だと言うべきだ。

 言うまでもなく原発政策は歴代自民党政権と関電など電力会社が二人三脚で進めてきた。電気料金や税金を原資とする原発マネーが関電役員らに還流しているのではないかという今回の疑惑は、原発政策自体の信頼を根底から揺るがすものだ。

 ところが首相は「電気事業者が適正な運営に努めるのは当然」などと答えるだけで「遺憾だ」とさえ言わず、関電側の今後の調査に委ねる姿勢に終始した。問題の深刻さを理解していないのではないかと疑う。

 かんぽ生命保険の不正販売を追及したNHKの番組をめぐり、日本郵政側から抗議を受けたNHKの経営委員会が上田良一会長を厳重注意した問題も同様だ。枝野氏の質問はNHKのあり方や報道の自由を危ぶむものだったが、首相は「コメントする立場にない」と答えたのみだ。

 また慰安婦を象徴する少女像などを展示する企画展に抗議が殺到し、文化庁が「あいちトリエンナーレ」への補助金を不交付と決めた問題でも「文化庁において判断した」と述べるにとどまった。知りたいのはこの判断について首相がどう考えるかにもかかわらずだ。

 このほか台風15号災害での政府の初期対応や消費増税、日米貿易交渉などもまともな議論とはならなかった。首相が姿勢を改めないと国会質疑の空洞化は止まらない。

 枝野氏にも注文がある。首相が目指す憲法改正に関し、なぜ直接、言及しなかったのか。改憲は優先順位が高い課題ではないと言いたいのかもしれないが、ならばそう明言すべきだったのではないか。

 旧民進党勢力が統一会派を組んで初めて臨む国会だ。これでは改憲に関して会派内の意見が分かれているから、言及を避けたのではないかと見られることになる。

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