SUNDAY LIBRARY
岡崎 武志・評『熱血シュークリーム 橋本治少年マンガ読本』『遠い他国でひょんと死ぬるや』ほか
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今週の新刊
◆『熱血シュークリーム 橋本治少年マンガ読本』橋本治・著(毎日新聞出版/税別2200円)
橋本治は広範なジャンルを横断する評論家・作家だった。しかし、評論家の出発は『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ』というマンガ論集であった。ここで初めて日本のマンガ評論に、自立した言語と思想が現れた。
『熱血シュークリーム 橋本治少年マンガ読本』は、1982年の元本に、その後書かれた文章を加え再編集したもの。「はじめに」で、少年マンガというジャンルがいかに特殊であるかを論じている。その大前提のもとに、手塚治虫、永井豪、大友克洋などを、独自の理論で読み解いていく。
圧巻は第一章すべてを費やしたちばてつや論。少女マンガから出発し、『あしたのジョー』で時代を作った大御所だ。「少年マンガの限界が、これ又ちばてつやの限界でもある」などという、迷いなき断言に凄(すご)みがある。
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