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日本文化をハザマで考える

第13回 イギリス国旗はためく日本の田舎町

岩手県花巻市のイギリス海岸 =ダミアン・フラナガン撮影

 日本の北のはずれの、何の変哲もない町の川沿いに、イギリス国旗がはためいている。ここは、その地域で一番有名な文学者、詩人であり童話作家である宮沢賢治(1896~1933年)が「イギリス海岸」と名付けたところである。

 一目見たところでは、特に「イギリスっぽい」ところはない。実際、この川が他の川と特別に違っているところはない。しかし、この名前の由来を探っていくと、面白くなってくる。

 賢治の時代には、この川にまだダムが造られていなかったため、川の水位は周期的に極端に上下した。そして水かさが少ない時には白い泥岩が現れた。それが賢治のたくましい想像の中では、イギリス南部ドーバーの凝灰岩の白い絶壁のように思われた。それでここを「イギリス海岸」と呼び始めたというわけだ。

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ダミアン・フラナガン

ダミアン・フラナガン(Damian Flanagan) 1969年英国生まれ。作家・評論家。ケンブリッジ大在学中の89~90年、東京と京都に留学。93~99年に神戸大で研究活動。日本文学の修士課程、博士課程を経て、2000年に博士号取得。現在、兵庫県西宮市とマンチェスターに住まいを持って著作活動している。著書に「世界文学のスーパースター夏目漱石」。

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