メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

サンデー毎日発

全国303私立大入試スケジュール 超安全志向を逆手に「攻め」と「守り」の併願作戦を

上智大

[PR]

 大学入試改革の前年となる2020年度入試(20年4月入学)は、私立大を中心に“超安全志向”が見込まれている。具体的にどのような状況が予想され、どのように対応すればいいのか。近年の入試状況を参考に検討してみた。

 大学入試改革が翌年に待ち受ける20年度入試は、浪人を避けるために受験校のレベルを下げる“超安全志向”が見込まれている。

 その兆候は、19年度入試でも見られた。16年度入試以降、大規模私立大で定員管理の厳格化が段階的に進み、連動して合格者が減少してきた。それでも、志願者は増加傾向で、早稲田大や青山学院大、明治大、同志社大、立命館大は、16年度から3年連続で志願者増。連動して倍率(志願者数÷合格者数)も上がった。これらの大学以外の大規模総合大学も軒並み倍率が上がっていた。

 それが一転、19年度入試では、志願者が減少する難関大が続出した。早慶上智は全て、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)は、国際経営と国際情報の2学部を新設した中央大以外で志願者が減少。関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)では、志願者が増えたのは関西大のみだった。

 難関大の志願者減の要因について、受験関係者は21年度入試の影響を挙げる。

 「21年度からセンター試験が大学入学共通テストに変わります。また私立大の中には、一般入試で思考力・判断力・表現力を重視した方式の導入を予告している大学があります。20年度入試で失敗すると、こうした新しい入試に直面するので、19年度のうちに決めたいと考える受験生が、難関大を減らし、それに次ぐ大学への出願を増やしたのです」

 その結果が、東の日東駒専(日本大、東洋大、駒沢大、専修大)、西の産近甲龍(京都産業大、近畿大、甲南大、龍谷大)の出願状況に表れている。これらの大学群では、日本大と近畿大以外の全ての大学で志願者が増加したのだ。

 そして、20年度入試は更なる安全志向が見込まれ、幅広い難易度帯の大学で志願状況に変化が起きそうだ。駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一さんは言う。

 「早慶上智やMARCH、関関同立はもちろん、日東駒専や産近甲龍も安全志向から敬遠される可能性がある。これらの大学に次ぐ、大東亜帝国(大東文化大、東海大、亜細亜大、帝京大、国士舘大)や摂神追桃(摂南大、神戸学院大、追手門学院大、桃山学院大)クラスが激戦になりそうです」

 超安全志向が確実な状況だが、押さえておきたいのは、19年度入試では難関大で志願者が減った上に合格者が増えたため、志願倍率が下がる大学が多くあったこと。入学者の定員超過率の上限が前年と同水準の1.1倍に据え置かれたため、すでに入学者数と定員が均衡している大学の中には、合格者を増やすところもあった。MARCH全てと早稲田大、関西大、立命館大で前年の合格者数を上回った。20年度入試も難関大の合格者数は前年並みとなりそうだ。

 こうした状況を踏まえた上での20年度の入試プランについて、駿台の石原さんに聞いてみた。

 「合格者が減らない上に安全志向から志願者が減るなら、難関大は倍率的に狙い目とさえ言え、弱気にならないことが重要です。併願の際の押さえは、難易度を下げた大学の一般方式をお勧めします。センター方式は出願しやすく活用する受験生が多いですが、倍率が高くなり、志望校の難易度を下げても合格の可能性が低いからです」

必要以上に怖がって選択肢を狭めない!

 昔に比べると、難関大の一般入試の受験機会は数多くある。慶応義塾大や早稲田大の一般入試は、各学部1回のチャンスしかないが、上智大は、学部(学科)ごとの個別入試の他に、英語の外部民間試験であるTEAP(アカデミック英語能力判定試験)のスコア基準をクリアすれば、一度の受験で複数の学科を併願できるTEAP利用型入試を受験できる。

 上智大以外にも英語外部民間試験を活用する入試は多くの大学が実施している。また、一度の受験で複数の学部(学科)を併願できる“全学部方式”も、MARCH、関関同立の全ての大学が導入している。関西大や関西学院大のように、複数の試験日から自由に選んで学部、学科を併願できるケースもある。難関大に次ぐクラスの日東駒専や産近甲龍、大東亜帝国、摂神追桃なら、さらにバラエティー豊かな入試日程や方式が用意されている。

 もちろん、倍率が安定している上に複数の受験機会があっても、根底に21年度入試に対する不安がある限り、安全志向を払拭(ふっしょく)できないかもしれない。しかし、大学入試改革を必要以上に怖がって進路の選択肢を狭めるのは得策ではない。駿台の石原さんは言う。

 「21年度入試でも、慶応義塾大や明治大、法政大、同志社大、立命館大など、入試方式がほとんど変わらない大学が数多くあります。入試を変える大学でも、思考力などを重視する形式になるのなら、1年のアドバンテージは大きい」

 20年度入試は崖っぷちの入試ではなく、周りが安全志向に走る分、倍率面のアドバンテージもある。入試改革を必要以上に怖がらずに自然体で臨み、持てる力を存分に発揮できた受験生が勝者になる入試になりそうだ。【大学通信・井沢秀】

*週刊「サンデー毎日」2019年9月8日号より転載。実際の誌面では全国303私立大の入試スケジュールが掲載されています。詳細はそちらで確認してください。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 全国の小中高校を休校 新型肺炎で首相要請 3月2日から春休みまで

  2. IOCパウンド委員 東京オリンピック「1年延期」に言及 新型肺炎

  3. 「共働きなのにパニックだ」 突然の一斉休校、保護者ら衝撃 収入は、子の安全は…

  4. 「社会が崩壊しかねない」 熊谷・千葉市長がツイート 小中高休校要請巡り

  5. 部活は?受験は?卒業式は? 子供も保護者も、不安の“つぶやき” 首相休校要請

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです