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経済観測

米国の株主第一主義の行方=リコー経済社会研究所常任参与・稲葉延雄

 株主第一主義の米国経営が転機を迎えている。

 去る8月19日、米国の経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は株主第一主義を見直すとの声明を発表した。昨今の米国における所得格差の拡大、過度な競争制限や市場独占、環境に対する低い意識など、米産業界に対する強い批判に応えたものだ。

 実は、日欧の産業界は経営方針として、株主以外のステークホルダー、例えば従業員、顧客、関連企業、地域社会等に目配りを欠かさないことを掲げる企業が多い。しかし米国では、企業収益力が低下する中で、株主第一主義の傾向はむしろ強まっていた。

 例えば、米国では株主の短期的な高収益期待に応えるあまり、賃金上昇に抑制的で労働分配率が低下傾向にあ…

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