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毎日フォーラム・パラスポーツ

障がい者スポーツ指導者資格

筆者(左手前)が受けた中級講習会では多くの実技があり、車いすバスケットボールもその一つだった=東京都国立市の都多摩障がい者スポーツセンターで15年11月15日、日本障がい者スポーツ協会提供

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30年までに有資格者5万人目指す

 日本障がい者スポーツ協会(JPSA)が福岡市で開く「上級障がい者スポーツ指導員養成講習会」を受講している。8月下旬からの前期4日間に続き、10月末から後期4日間の講習を受ける予定だ。実技12時間を含む52時間の講習会に応募した理由は、ライフワークの一つである「障がい者のスポーツ」を深く理解し、理解者や一緒に普及する仲間を増やす契機になると考えたためだ。この資格を含み、障がい者のスポーツ環境を整える活動を担う障がい者スポーツ指導の資格について紹介したい。

     「障がい者スポーツ指導員」にはレベルに応じて、18歳から取得可能な「初級」、地域でのリーダーとなる「中級」、県レベルの指導的な立場を担う「上級」がある。これらに加え、障がい者スポーツコーチ(中級か上級の指導員資格を持ち、さらに競技別、専門的に強化・育成などを担当)▽障がい者スポーツ医(医師免許を持ち、医学的管理・指導などを支援)▽障がい者スポーツトレーナー(アスレティック・トレーナーや理学療法士、作業療法士などの資格を持ち、安全管理、競技力の維持・向上を支援)--があり、6資格の総称を「障がい者スポーツ指導者」という。

     JPSA公式サイトによると、6資格の保有者は6月末現在で延べ2万6738人。「初級指導員」を中心に、毎年全国で100回近い養成講習会がある。大学の授業で取得できる場合もあり、例年1000人程度、指導者が増えている。JPSAは2020年までに3万人、30年には5万人の有資格者育成を目指し、即戦力確保に向け、一般スポーツの指導者や、医療関係者が資格を取得できる道を設けている。

     私は、日本スポーツ協会の水泳指導員でもあるので、規定によって初級取得を免除され、15年秋に中級の講習会を受けた。16年度から3年間、パラスポーツの各種催しや指導現場に接し、上級受講が可能になった。前期講習の内容は、障がい者スポーツの歴史と現状、スポーツ傷害・障害の予防と管理、高齢者とスポーツ、心理学、危機管理、イベントの企画案作り、車いすバドミントンの実技など、多岐にわたった。後期は、さらに指導案作成と検証や、選手団の体調管理、指導者の役割などを学ぶ。同期受講の約40人は、地域での指導者や、学校や医療機関等で日常的に障がい者のスポーツの機会に携わる教職員や理学療法士が多い。

     今夏、パラリンピック出場経験のある現役選手が「初級指導員」の資格を取得した。パラリンピアンで指導員資格を取るケースは、まだあまり聞かない。尋ねると、「選手をいつまで続けられるか分からない。日本代表のコーチになるには中級指導員以上の資格が必要なので、引退後に次のキャリアに移行できるように準備したいと思った」と話した。また、競泳でオリンピック出場経験のある元選手からは「どうすれば、資格が取れるのか。いつかぜひ取りたい」との相談を受けたこともある。

     もちろん資格が万能な訳ではない。だが、地域での活動から国際大会まで、障がいのある人のスポーツ活動の機会を共に広げていく役割を担うのに必要で、役に立つものだ。私は、興味のある方に、ぜひ仲間に加わってほしいと願う。(毎日新聞社オリンピック・パラリンピック室委員、山口一朗)

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