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メディア時評

未来を考える原発報道を=谷口尚子・慶応大大学院准教授

 日本は2発の原子爆弾で大きく傷ついたが、戦後は「原子力の平和利用」に期待を寄せるようになった。1954年7月2日朝刊の毎日新聞社説は同年の第五福竜丸事件を案じながらも、ソ連で始まった原子力発電が「人類を新しい段階にみちびく光明」になり得るとした。

 国は戦後復興・高度経済成長で急増する電力需要を見越して原発の実用化と建設を急いだ。ただし、科学技術庁が大型発電炉の大事故が莫大(ばくだい)な損害を生むという試算結果を発表したように(61年4月21日朝刊)危険性は当初から意識されていた。そして東京電力が福島第1原発1号機の炉内に核燃料を入れたという小さな記事が70年7月4日朝刊に掲載される。

 原発の難しさが世界的に認識されたのは、米国のスリーマイル島原発事故(79年)やソ連のチェルノブイリ…

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