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社説

関電不正でトップ辞任 政府の責任で全容解明を

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 関西電力の幹部が福井県高浜町元助役から多額の金品を受け取った問題で、八木誠会長が引責辞任した。岩根茂樹社長も第三者委員会の調査が年内に終わり次第、辞任する。

 八木会長は859万円相当、岩根社長も150万円相当の金品を受領していた。両氏は当初、元助役の森山栄治氏(故人)から「受領を強要された」と弁明し、再発防止策の策定などを理由にトップ続投の意向を示していた。

 だが、経営責任を問う声は、消費者や高浜原発の地元住民はじめ、安倍政権の閣僚や、関電筆頭株主の大阪市の松井一郎市長からも噴出した。金品を受領した当事者がトップのままで信頼回復はあり得ない。結局、辞任に追い込まれた。

 関電は元検事総長らで構成する第三者委に「問題を徹底的に洗い出してもらう」と強調する。安倍晋三首相も「第三者の目で全容解明することが不可欠だ」としている。

 だが、関電と、元助役やその関係企業との原発マネーをめぐる癒着は1980年代から続いてきたとされる。元検事総長が主導するとはいえ、強制的な調査権限を持たない第三者委が今後3カ月で真相を解明し切るのは難しい。

 電力会社は原発建設や再稼働で、地元住民に説明を尽くして理解を得るのが筋だ。だが、関電経営陣は有力者だった元助役に便宜を図って反原発論を抑えてもらうなど、安易な地元対策を続けてきた。

 他の電力会社にとっても、原発再稼働の最大の難題は、地元対策をいかに円滑に進めるかだ。経済産業省は簡単な聞き取り調査で「関電同様の事例はなかった」と結論付けたが、国民の不信は解消されていない。

 政府は関電問題の全容解明を第三者委に委ねようとしている。だが、過去の企業不祥事では、権威ある人物がトップの第三者委による調査が不十分なまま終わり、問題が幕引きされた例も少なくない。

 政府の関電任せの姿勢は問題が原発再稼働全体に与える影響を最小限に抑えるためのように映る。

 「国策民営」の原発は電気料金を原資に巨額資金を立地自治体に注ぐことで成り立ってきた。今回はその不透明な構造自体が問われており、国が全容解明に乗り出すべきだ。

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