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「研究者冥利に尽きる」ゆかりの九大でも喜びの声 吉野さんノーベル賞

2018年3月に九州大の筑紫キャンパスで講演する吉野彰さん=九州大提供

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 ノーベル化学賞に旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)が選ばれたことを受けて、吉野さんが研究施設の訪問教授を務める九州大(福岡市)では、関係者から喜びの声が上がっている。

吉野彰さんのノーベル賞受賞について「我が事のようにうれしい」と語る九州大の岡田重人教授=福岡市の九州大で2019年10月9日午後8時54分、佐野格撮影

 9日夕、吉野さんの受賞が決まると、九大の広報担当者らは、共同で論文を執筆するなど吉野さんと約30年の親交がある同大先導物質化学研究所の岡田重人教授(62)=電気化学=の記者会見を準備するなど対応に追われた。

吉野彰さん(前列右)と岡田重人教授(同左)=2018年3月7日(九州大提供)

 岡田教授によると、吉野さんは2015年10月に岡田教授の依頼を受けて客員教授、18年4月からは訪問教授を務めて毎年のように九大を訪れている。「リチウムイオン電池の父」とも言われる吉野さんが語る言葉に学生も刺激を受けていたという。

 吉野さんと同じように企業研究者の経験がある岡田教授は「研究者は論文を書いて満足してしまうところがある。特許を取ることはよくあるが、実用化には泥臭い作業が必要。吉野さんは一歩も二歩も先を見て、そこをちゃんとおさえていた。勘所が良いお手本のような特許を取り、実用化させて私たちの生活を変えた。研究者冥利に尽きる羨ましい人生だ」と語った。

 「海外に出た時にノーベル賞を受賞していない大学は肩身が狭いことがある。訪問教授という形だが、九大がノーベル賞に絡むことができた。九大には候補者の方が何人もいるのでこれが呼び水になれば」と岡田教授は期待もにじませた。

 九大の久保千春学長は「吉野先生は『リチウムイオン2次電池』の開発と実用化という社会を変革する技術革新を先導した。人類に最大の利益をもたらす発明と呼べるものではないか」とコメントした。【佐野格】

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