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アートの地平から

歴史認識と向き合う=住友文彦

 ここひと月の間にミャンマー、ベトナム、韓国を訪れた。それぞれの街を歩き、食べものを口にし、芸術関係者と話す日々を送りながら、宗教、政治、文化、気候の違いや共通性について思索を巡らせた。

 とくに投資と外交による変化が著しい社会において文化が果たす役割は大きい。難しい交渉になれば互いを信頼するために文化を知る必要が生じる。政府は自由を求める市民の声と国際世論とのあいだで舵(かじ)取りを迫られる。国家による統制が厳しいミャンマーとベトナムではしたたかに自由を拡大させる芸術関係者の揺るがない信念、民主化運動の影響を受けた韓国の芸術家からは毅然(きぜん)とした強い態度に改めて文化が果たす役割を考えるきっかけをもらった。

 当然、脅迫によって自国の歴史と深く関わる作品の展示中止を強いられた「あいちトリエンナーレ2019」に対し、補助金不交付を決定した日本政府は検閲を行ったとして国際的な信頼を損なうだろう。アジアの国々では民主化の過程で政府お墨付きの作家の地位が失墜し、相互交流の増加によって美術展は異なる価値観に触れる場となっていく。そうした最中に日本は歴史を逆戻りするのだろうか。

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