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沼野充義・評 『ソビエト・ミルク ラトヴィア母娘の記憶』=ノラ・イクステナ著、黒沢歩・訳

 (新評論・2200円)

隷属と自由の間で揺れる若い魂の記録

 現代ラトヴィアの女性作家による話題作である。人口二百万足らずのバルト地方の小国で五万部売れるベストセラーになっただけでなく、既に英語をはじめとして世界の多くの言語に翻訳されている。物語は、一九六九年生まれの娘と、一九四四年生まれの母の複雑な関係を軸に、二〇世紀後半のラトヴィアという国の苦難の歴史を背景に展開する。孫娘を愛し守る祖母も蔭(かげ)で重要な役割を果たしているから、女たち三代の物語と言うべきだろう。なお小説を通して、彼女たちが名前で呼ばれることはない。

 「ソビエト・ミルク」とは不思議なタイトルではないか。ラトヴィア語の原題は、単に「母乳」だという。母…

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