早朝の決壊、避難できず 台風19号

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 東日本の各地で堤防の決壊を引き起こした台風19号。深夜から早朝にかけての堤防決壊が相次ぎ、避難できずに取り残される住民が多数に上った。多くの犠牲者を出した昨年7月の西日本豪雨でも問題となった逃げ遅れ。国の堤防強化対策も十分には進んでいない。水位が下がる中で決壊した場所もあり、住民に緊急性をどう伝えるかの難しさも浮き彫りになった。

「増水あっという間」

 「水圧で1階の窓ガラスがバリバリと割れる音が聞こえた」

 千曲川の堤防決壊箇所がある長野市穂保(ほやす)。千曲川の左岸にあり、浸水被害が最も大きかった地区の一つだ。ここに住む吉村静子さん(86)の自宅では13日早朝、川からあふれ出した水が一気に押し寄せた。家の中の水かさがみるみるうちに増え、2階のベランダで救助を待った。

 長野市に大雨特別警報が発令されたのは前日の午後3時半。川の水かさは増え続け、午後6時に市は穂保地区に避難勧告を出した。この頃、穂保地区から約3キロ上流に住む消防団員の男性(40)に「千曲川の堤防が決壊する可能性がある」と出動要請が出た。広報車で住民に避難を呼び掛けた後…

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