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台風19号 河川氾濫、住宅地襲う 4人死亡、最大2万人避難 /栃木

浸水した地域で救助される女性ら=栃木県足利市大久保町で13日午後1時27分
秋山川の氾濫で冠水した住宅地=栃木県佐野市赤坂町で13日午後1時

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 大型で強い台風19号は12日夜に県内に接近し、各地に大きな被害を及ぼした。13日午後6時までに4人の死亡が確認され、佐野市や栃木市などでは川からあふれた水が住宅地を襲った。大雨により最大で約2万人が避難を余儀なくされ、線路が一部で寸断されるなど、県内14市町に大雨特別警報が出された災害は県民の生活を直撃した。

     台風の接近で県内は12日昼ごろから雨が強くなり、夜になると強風も吹き荒れた。気象庁は同日午後7時50分に宇都宮市や日光市など県内14市町に大雨特別警報を発令。12日の降水量は、日光市奥日光481ミリ▽佐野市葛生410ミリ▽鹿沼市370ミリ▽宇都宮市325・5ミリ――など。県内の19観測地点全てで1日の降水量の過去最多を大きく更新した。

     県警などによると、13日午前3時10分ごろ、足利市寺岡町で避難所に向かう乗用車が水没しているのが見つかり、乗っていた近くの無職、山本紀子さん(85)が死亡。鹿沼市では12日夜に連絡が取れなくなった同市茂呂、会社役員、早乙女健二さん(70)が土砂に埋もれた車内で見つかり、死亡が確認された。他に鹿沼市と栃木市で男女1人ずつが死亡、10人以上が負傷した。

     県などによると、大雨の影響で、12日夜に佐野市赤坂町で秋山川の堤防が決壊し、栃木市の永野川や宇都宮市の田川などが氾濫。県内24市町で避難指示や避難勧告が出され、避難所369カ所に最大1万9822人が避難した。床上・床下浸水は被害が多く、県が集計を続けている。

     東京電力などによると、県内では栃木市などで一時最大約2万800戸が停電。この影響で県内13カ所の浄水場で機能が止まり、一部で断水が発生した。

     鹿沼市のイチゴのビニールハウスが冠水したり水田に土砂が流入したりするなど、農業の被害も出た。JR両毛線は栃木市内で線路の土砂が流出するなどし、小山―足利間で長期間運転ができない見通し。東武日光線も被害を受けた。

     県は12日夜、災害対策本部を設けて自衛隊に災害派遣を要請。特別警報が出た14市町に災害救助法を適用すると決め、職員も派遣した。13日午前に開かれた対策本部会議で福田富一知事は「人命第一で、全庁あげて応急対応にあたり、速やかな復旧に向けて全力で取り組んでほしい」と指示した。【林田七恵、萩原桂菜】

    「停電直後に冠水」

    堤防が決壊した秋山川から河川の水が大量に流れ込む=栃木県佐野市赤坂町の海陸橋で13日午前7時52分

     県内各地で川からあふれた水や大雨で大きな被害が出た。

    佐野市

     市中心部を流れる秋山川の堤防が決壊した佐野市。大橋町や赤坂町などの住宅地が泥に覆われ、1000戸以上の住宅が被害に遭った。近くの無職の女性(82)は「一晩でこんな状態になるなんて信じられない」と驚いていた。

     造園業、斎藤隆さん(65)の自宅には1メートル40センチほどの高さまで水が押し寄せた。「軽トラックなど、仕事で使うものも水につかり、恐らくだめだと思う。今後を考える余裕はない」と肩を落とした。

    栃木市

    永野川にかかるJR両毛線の線路では土台が流され、線路が崩れていた=栃木県栃木市大平町で13日午後1時9分

     栃木市大平町では永野川が氾濫し、周辺にははがれた路面のアスファルトや流されたとみられる物置などが散乱していた。近くに住む佐藤祐樹さん(37)は「午後10時前に停電して、すぐに自宅が冠水した。腰あたりまで水がきて避難所まで行ける状況ではなく、平屋建てなので、隣人の家に避難させてもらった」と話した。

     70代の女性は「営業している店が少なく、食料品を買える場所が分からない」と困った様子だった。

    足利市

     足利市では市東部のあしかがフラワーパーク近くを中心に床上、床下合わせて50件以上が浸水した。

     同市大久保町では26人が入居する特別養護老人ホームが一時浸水し孤立。自衛隊や消防などが13日午後までに職員を含む32人をボートなどで助け出した。

     近くの会社員、松崎達也さん(55)によると、一帯は最大1メートル以上冠水した。1階の家財道具を動かす間はなく、「冷蔵庫も水に浮いて倒れたままで、柱が水を吸ってドアも閉まらない」。近くの水路が急にあふれたとみられるが、松崎さんは「この辺が浸水するなんて情報提供が全くなかった。あれば対処しようもあったのに」と悔やむ。「修理にいくらかかるか分からない。水が引いた後の片付けなども行政は考えてほしい」と途方に暮れていた。

    鹿沼市

    氾濫した粟野川流域で崩れたプレハブの建物=栃木県鹿沼市口粟野で13日午前11時24分

     鹿沼市では市西部の口粟野地域で粟野川が氾濫した。住民によると、12日夕方ごろから川の水があふれ、近くの県道が濁流にのまれた。飲食店を営む女性(72)は「この地の生まれだが粟野川の氾濫は初めて。店が再建できるかどうか不安だ」とため息をついた。

     粟野川のほとりで和菓子店を営む小磯郁夫さん(57)は店舗兼工場が浸水し、店内や庭先を覆った土砂やがれきのかき出しにあたった。「くじけずに再建を進めるしかない」と話した。【玉井滉大、李舜、林田七恵、花野井誠】

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