台風19号 河川氾濫、都道陥没 8万人、避難所で一夜 /東京

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台風19号の影響で多摩川(右)が氾濫し、冠水した住宅街=世田谷区で12日午後11時49分
台風19号の影響で多摩川(右)が氾濫し、冠水した住宅街=世田谷区で12日午後11時49分
冠水した路上に放置された乗用車=世田谷区で13日午前0時9分、いずれも小川昌宏撮影 拡大
冠水した路上に放置された乗用車=世田谷区で13日午前0時9分、いずれも小川昌宏撮影

 12日夜に都内を縦断した台風19号は、都民の生活に大きな影響を及ぼした。河川が氾濫して世田谷区などで建物への浸水の被害が出たほか、日の出町では都道が陥没して一時孤立状態になる住民が出た。約8万人が避難所で不安な一夜を過ごし、交通機関や電気、水道などインフラにも影響が出て、一部の地域では回復までに時間がかかっている。【内田幸一、安達恒太郎、青島顕】

多摩川氾濫 二子玉川で冠水

 世田谷区の東急二子玉川駅近くでは12日深夜、多摩川の水が堤防を越えてあふれ、道路が冠水した。

 あきる野市の秋川にかかる山田大橋の下流でも12日夜、水位が堤防の高さを越えて氾濫した。少なくとも数十軒の住宅で床下浸水などの被害が発生。市によると、市内の山間部では複数の場所で、土砂崩れが発生した。

日の出279人孤立 特養老人施設も

 日の出町では12日夜、都道184号が50~60メートルにわたり陥没しているのが見つかった。町によると、陥没した都道の先には大久野(おおぐの)地区があり、173世帯279人が取り残された。地区には特別養護老人ホーム「藤香苑(とうこうえん)」もある。同園によると、入所者は104人で、健康状態に問題はないという。道路の復旧の見通しが立たないため、町は徒歩で水や食料などの物資を届ける。

 八王子市では12日夜、南浅川が氾濫し、浅川地区や恩方地区で家屋が浸水した。市には床上・床下浸水のほか、「家が傾いた」などの訴えがあった。

停電、断水相次ぐ

 東京電力によると、13日も世田谷区、奥多摩町の一部で停電が続いた。

通行止め影響 給水車出せず

 都の13日正午時点のまとめでは、八王子市、奥多摩町、日の出町、新島村で水道管破損などのため断水。道路の通行止めで給水車を出せないところもあった。

 12日午後から運休した都内の鉄道各線は、13日も安全確認などのため一部で影響が残った。JR東日本は、山手線や京浜東北線、中央線の東京―高尾間などが13日昼までに運転を再開したが、青梅線の青梅―奥多摩間は終日運転を取りやめた。京王線は北野―高尾山口間などの復旧が遅れた。


都が電話相談窓口 住宅損壊や浸水被害

 都は台風19号で住宅の損壊や浸水などの被害を受けた住民らから相談を受け付ける電話相談の窓口を開設した。

 電話番号は03・5320・7725(英語による相談は03・5320・7744)。14日の相談は午前9時半~午後5時の予定。

〔都内版〕

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