台風19号東日本縦断 ホームレス、避難所入れず 東京・台東区「住所なし」理由

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 台風19号の被害が拡大した12日、東京都台東区が、路上生活者など区内の住所を提示できない人を避難所で受け入れていなかったことが、同区などへの取材で明らかになった。

 台東区によると、台風19号の接近に伴って11日午後5時半以降、区内4カ所に避難所を開設。12日に区立忍岡小の避難所を訪れた2人に対し、「住所がない」という理由で受け入れを拒否した。

 受け入れを断られた北海道出身の男性(64)は脳梗塞(こうそく)を患い、会話が不自由な状態だ。約1カ月前に上京し、路上生活を続けていたという。屋内に避難できなかったため、12日夜はJR上野駅周辺の建物の陰で傘を差して風雨をしのいだ。取材に「避難所に受け入れてくれたら助かったのにという思いはある」と語った。

 区災害対策課によると、避難者には住所や氏名を記入してもらう。同課は「区民が今後来るかもしれない状況だったため、区民を優先した」と説明した。

 この対応について、貧困者の支援団体などからは「路上生活者の締め出しだ」という批判が上がっている。一般社団法人「あじいる」代表の今川篤子さんによると12日、複数の路上生活者から「避難所に行ったが断られた」という訴えを聞いたという。

 帰宅困難者向けには区や東京都が浅草文化観光センターと東京文化会館を緊急滞在施設として開放。しかし区広報課によると、そもそも住所不定者を避難者として認識していなかったという。受け入れを断った2人にこの2施設を案内することもしなかった。

 同課の田畑俊典課長補佐は「結果として支援から漏れてしまったのは事実で、今回の対応に多くの批判もいただいている。住所のない人の命をどう守るか。他の自治体などを参考に支援のあり方を検討していきたい」と話した。【塩田彩、大場伸也】

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