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金沢で「AIタクシー」実験 観光客ら最適ルートで相乗り

AIの配車指示を受け取るタクシー用のタブレット端末。画面には客が配車を希望する時刻や場所、目的地などが表示される=金沢市広坂1の市庁舎で2019年9月20日、日向梓撮影

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 金沢市でAI(人工知能)を使った相乗りタクシー実現の試みが進んでいる。先月21日には観光客を対象にした実証実験があり、市は交通過疎地域での新たな移動手段の可能性も見据える。北陸3県には他にも、自動運転の実証実験などを通じて住民の「足」を維持する方法を模索する自治体がある。取り組みの現状を追った。

 金沢市の実験はAIなどの活用を進める市の「新産業創出ビジョン」の一環で、ベンチャー企業「未来シェア」(北海道函館市)などと協力して実施した。乗客が専用アプリで乗降車位置や配車希望時間、人数などを送信すると、AIが客の要求に応じて最も近くを走るタクシーの端末に配車を指示。複数の予約を集約し、最適ルートでそれぞれの乗客を乗り降りさせることもできる。アプリは日本語の他、複数の外国語に対応していて、入力した目的地は運転手側にも通知されるため、乗れば目的地まで言葉のやりとりは不要だ。実験では1日1000円の乗り放題とした。

AI配車のタクシーに乗り込むイタリア人観光客(右奥)=金沢市で2019年9月21日、日向梓撮影

 イタリア人のグイド・ザゲットさん(31)=東京都世田谷区=は、JR金沢駅から乗車。日本語は堪能だが、「初めての街でバスに乗るのは難しい。アプリも使いやすく便利で助かった」といい、兼六園の散策に向かった。実験に協力した男性運転手(55)は、コミュニケーションの不安は解消されたと評価する一方で、「AIの指示ルートは渋滞していたり、細かったりで、ほとんど普段使う道を選んだ。参考程度やね」と語った。

 金沢市産業政策課によると、この日の実験に参加したのは国内外の観光客35組80人でおおむね好評だったという。「リアルタイムの渋滞情報が反映されない」などの課題も、来年1月の実験に向けて改善する方針だ。

 タクシーやコミュニティーバスを用いた同様の実験は長野県伊那市で2021年度の実用化を目指して始まるなど各地で実施。タクシーの相乗りは本来道路運送法で規制されているが、政府は今年3月の未来投資会議で解禁を宣言した。少子高齢化や過疎化で公共交通機関の休止が全国で相次ぐ中、より効率的な移動手段として注目が集まっている。

自動運転の実証実験も

 北陸3県では、国や研究機関と連携して「自動運転」の実証実験も進められている。運転に必要な作業を減らすことで、高齢者などより多くの運転者を確保し、人手不足緩和につなげる思惑がある。

 金沢大は2015年から、石川県珠洲市の公道で走行実験に取り組む。車に搭載したカメラやセンサーで信号や障害物などを認識し、自動で走行。運転手はハンドル操作などをする必要がない。同市企画財政課によると、今年3月の試乗会では市民ら29人が乗車し、8割が試乗後のアンケートに「安心」と回答した。

 福井県永平寺町では、国交省やヤマハ発動機などが無人運転での実験に取り組んでいる。運転手は同乗せず、遠隔装置で車両の運行を監視する形式。廃線になった京福電鉄の路線跡地の公道を使い、大本山永平寺(同町志比)から街中まで約6キロをつなぐ。

 同町では国が20年度の自動運転導入を目指しており、同町総合政策課の担当者は「観光客だけでなく、学校帰りの子供たちを始め地元の人も乗っている。今後は事業の採算性を注視していくことになる」と話した。【日向梓】

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