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「支柱も無意味」「気持ちが揺らぐ」リンゴ産地・長野 壊滅的被害 台風19号

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千曲川の氾濫で水につかり、廃棄処分となった特産品のリンゴ=長野市で2019年10月15日午後4時46分、宮武祐希撮影

 台風19号で千曲川の堤防が決壊し、浸水被害を受けた長野市の地域は、県内でも有数のリンゴ産地だった。農林水産省によると、長野県の2018年産のリンゴ収穫量は14万2200トンで青森県に次ぐ全国2位を誇るが、農園や農機具が水没するなどリンゴ農家は壊滅的な被害を受けた。

 決壊現場から約500メートル西を南北に走る国道18号は「アップルライン」と呼ばれ、道沿いにはリンゴ畑や観光農園が広がっている。今月に入り収穫期を迎えていたが、軒並み濁流にのみ込まれ、一帯の約950ヘクタールが浸水。一部の農園ではすべての樹木が根こそぎ流されてしまった。

 徳永虎千代さん(27)は長野市赤沼にあるリンゴ畑4ヘクタールのうち約8割が浸水した。100年以上続くリンゴ農家で16年に父親の後を継いだばかり。台風が接近する前日までに長野県品種の「シナノスイート」だけ早めに収穫して倉庫に保管していたが、他の品種も含め約250箱(1箱約54個)すべてが泥水につかり、出荷できなくなった。強風に備え主力品種「ふじ」は支柱を設置していたが「水没したら全く意味が無かった」と悔やむ。

 今回はリンゴに加え、農機具が水没したことも大きな打撃となった。JAながのによると、特に「スピードスプレイヤー(SS)」と呼ばれる農薬散布機は300万~1000万円と高額で、リンゴ農家は「SSの破損が痛い」と口をそろえる。

 1・8ヘクタールのリンゴ畑が水没した塚田史郎さん(39)=長野市穂保=は農薬散布機や除草機などの農機具も水につかり、来年以降の栽培も危ぶまれる。「過去にも台風が来たことはあったが、ここまで被害を受けるとは思わなかった。農家を続けるかどうか気持ちが揺らいでしまう」と言葉を詰まらせた。

 徳永さんは「これからどうすればいいのか。国などには被災した農家が続けていくためにも支援をしてほしい」と訴えた。【島袋太輔】

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