◆『読書会入門 人が本で交わる場所』山本多津也・著(幻冬舎新書/税別780円)
高度経済成長期、就職や進学のために都会に出てきた若者たちは、今日よりよくなるだろう明日に希望を持ち、エネルギーに満ち溢(あふ)れていた。ただ、地縁・血縁のしがらみから自由になった故に彼らが直面するのは、バラバラの個人として生きなければならない不安だった。身寄り・居場所のなさを埋めるのが職場だった人もいれば、労働組合や新興宗教の人もいた。その時代に形成された新たな「縁」のインフラは、現代にも一定の影響力を保っているが、いまでも生まれ続けるバラバラの個人とその人たちが抱える不安を吸収する場としては頼りなくも見える。
それを補完するのがインターネットに違いないという期待も、そこに広がる殺伐とした風景がより鮮明に見え…
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