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台風19号 被害、決壊箇所で甚大 捜索続く

行方不明者の捜索をする警察官ら=宮城県丸森町で2019年10月16日午前11時、平川義之撮影

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 記録的な大雨となった台風19号による行方不明者の捜索は、16日も東日本各地の被災地で続いている。毎日新聞のまとめでは、6県12人(16日午前10時現在)の行方が分からないままだ。懸命の捜索が続く一方、この日は各地で今季一番の冷え込みとなり、被災者には厳しい朝となった。

 気象庁によると、16日朝は上空の寒気と緩やかな高気圧に覆われて放射冷却が強まったため全国の半数以上の観測地点で今季一番の冷え込みとなった。大規模な浸水被害を受け、この日も朝から捜索が続く宮城県丸森町では最低気温が平年より3・2度低い5・4度、福島県二本松市では2・9度低い6・2度を記録した。

 同庁の予報では、週末にかけて東日本は低気圧や前線の影響で天候が崩れるとみられ、東北地方の太平洋側では低気圧の発達の程度によって再び大雨となる恐れがあるという。台風19号の影響で地盤が緩んでいる地域を中心に、災害への警戒が必要となる。

 一方、堤防が決壊した河川は、福島、宮城両県にまたがる阿武隈川水系に集中し、死者74人のうち福島県26人、宮城県14人と両県で犠牲者の半数を超えた。

 国土交通省によると、堤防が決壊した7県の55河川79カ所(16日午前5時現在)のうち18カ所が阿武隈川水系で、13日の目視調査では、国管理の159キロ(福島県側109キロ、宮城県側50キロ)のほぼ全域が浸水状態だった。7人が死亡した福島県本宮市では、阿武隈川の氾濫と同時に支流の安達太良川の堤防が決壊し、両川に接する地域が浸水。隣接の郡山市でも阿武隈川支流の堤防が決壊し、4人が亡くなった。阿武隈川支流で堤防が3カ所決壊した宮城県丸森町では5人の死亡が確認されている。【大島祥平、奥山はるな】

堤防強化策検討 国交省

 国管理を含む河川の堤防が相次いで決壊したことを受け、国土交通省は、新たな堤防の強化策の検討を始めた。決壊数が5県の25河川37カ所だった西日本豪雨(2018年7月)を大幅に上回る7県55河川79カ所(16日午前5時現在)に上る「未曽有の事態」(赤羽一嘉国交相)となり、従来の対策だけでは気候変動を背景に激甚化する水害に耐えられないと判断した。

 今後、有識者による決壊の分析を踏まえ、堤防のかさ上げだけでない抜本的な対策に乗り出す構えだ。

 西日本豪雨や台風21号(18年9月)などを受け、政府は同年12月、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3カ年緊急対策」を閣議決定。国交省は20年度までの予定で、堤防を越える「越水」で削られやすい河川反対側の「のり尻」の強化などの整備を進めてきた。川底の掘削で堤防を高くしたり、河川沿いの遊水地を整備したりもしている。

 さらに一部河川で流れを変える工事に着手。西日本豪雨の被災地、岡山県倉敷市では、本流の高梁川と支流の小田川の合流点で、両河川の水位が高くなる時間が重なり、支流の小田川の水が流れにくくなる「バックウオーター現象」が発生、堤防が決壊した。これを受け、流れの良い下流に合流点を付け替える工事が行われている。台風19号による決壊箇所の一部でもバックウオーター現象を指摘する声が出ている。

 国交省幹部は「堤防を元の形に戻すだけでは被害を防げない。同じことを繰り返さない抜本的な方策を考える必要がある」と話す。氾濫危険水位を超過した河川数は、14年の83河川から18年には474河川まで急増。赤羽国交相は15日の参院予算委員会で「最近の気候変動によって、災害が激甚化・頻発化し、被害規模も甚大化している」と危機感を示した。【松本惇】

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