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台風19号 被害全容、把握できず 県内死者26人、不明3人 /福島

帝京安積高校では1階の職員室(左)やホールは1㍍を超える高さまで水が達した。昨日から水がひきはじめたが、15日朝も流れ込んだ泥や水に覆われ、教員らが対応に追われていた=福島県郡山市で

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 台風19号の被害は15日になってさらに拡大し、県などのまとめでは死者26人、行方不明3人に上った。県管理の18河川26カ所で堤防の決壊が確認され、家屋の被害は全壊7棟、一部損壊142棟、床上浸水753棟、床下462棟となっている。収穫前の農産物も大きな被害を受け、交通の便も乱れている。全容の把握にはまだ時間がかかりそうだ。【柿沼秀行】

     いわき市は15日午前、男性2人、女性4人の計6人の死亡が確認されたと発表した。このほか、消防ヘリが救助中の女性(77)を誤って落下させ、女性が死亡する事故も起きている。

     毎日新聞の取材では、郡山市田村町で13日、男児の遺体が見つかった。また、14日には女性の遺体が発見された。天栄村在住で、男児の母親ではないかとみられる。

     さらに、阿武隈川と安達太良川の合流地点付近が大規模に氾濫した本宮市では、自宅などで死亡している40代~70代の男女7人が確認された。

     県は15日午後4時、災害対策本部員会議を開催し、被害状況を報告した。午前8時現在、重傷者は2人、軽傷12人で、避難所は15市町村に計59カ所開設。計1762人が避難している。今後、一般の県営住宅や東日本大震災の復興公営住宅を提供することを検討している。

     また、棚倉町戸中地区で道路が崩れ、1世帯と連絡が取れないという。矢祭町内川地区では橋が崩落。線路上を歩いて渡っている状態が続いているという。電気や電話は使えるという。

     学校は県立、市町村立学校のうち小学校5校、県立高校1校が床上浸水。54校で断水し、115校が休校した。医療機関は午前10時現在、11病院が断水し、9カ所の高齢者施設が床上浸水などの重大な被害が出ているのが確認された。

     農地は25市町村の310カ所で被害を確認。被害額は23億700万円に上るとみられる。道路は午後3時現在で100カ所(県管理道路)で通行止めが続いている。

    「こんな浸水初めて」 泥水、後片付けに追われ 郡山

     台風19号で氾濫した阿武隈川沿いの郡山市安積町日出山地区や同市田村町金屋地区では15日までに水が引き、住民らが水たまりと泥だらけの住宅周辺で後片付けに追われた。

     安積町日出山地区の帝京安積高校周辺は、14日午後まで膝上が水につかるような状態だったが、夕方には水が引き始めた。同校には避難した住民約150人が一時孤立し、校舎の向かいのマンションにも住民約20人が取り残されていた。同日午前5時半ごろから約3時間半、自衛隊や消防隊員がボートで救出。同校に避難していた70代の女性は「床上浸水が始まって、これはまずいと思って避難した。避難所に来て安心していたが、まさか避難所から出られなくなるとは思わなかった……」と言葉を詰まらせた。

     同高校舎近くのマンションに住み、一時は同高に避難していたという60代の男性は15日、「もともと阿武隈川などの水に囲まれた場所だが、20年以上住んでいてこんなに浸水したのは初めて」と話した。駐車場にあった自分のワゴン車はドアミラー付近まで水につかったという。

     同市災害対策本部によると、両地区周辺はもともと低い土地で水がたまりやすく、ポンプで排水。14日は午後から雨が降り始め、多くの住民が作業を中断。一度外に出した荷物にビニールシートをかぶせたり、家の中に戻したりして、不安な表情を浮かべていた。【磯貝映奈、笹子靖】

    病院と施設、孤立解消 浸水した機材運び出し 本宮

    孤立から一夜明けた14日、浸水した1階部分から椅子や医療器具などを運び出す職員ら=福島県本宮市本宮の谷病院で

     台風19号で阿武隈川が氾濫し、支流の安達太良川の堤防も決壊した本宮市で、患者と職員ら計約200人が取り残されていた「谷病院」と隣接する介護老人保健施設「明生苑」では、13日夜までに周囲の水が引いた。14日早朝から、入院患者の家族が着替えや食料を持って訪れ、職員らは浸水した機材の運び出しや泥を掃き出す作業に追われた。

     同病院の谷亜希子医師によると、水かさが増し、1階部分まで浸水した13日未明、患者たちは2~5階にそのまま待機した。透析が必要な患者たちは13~14日に救助して転院させており、他の患者たちの様子に問題はないという。現在患者たちはおかゆやサバ缶などの非常食を取っているが、調理室も浸水したため、「高齢者が多く、食事をどうしていくか栄養担当者が検討中」という。

     停電後は非常用電源を使っているが、供給が不安定なため、心電図や点滴の機械が正常に機能していないという。浸水した1階部分は外来の診察などを行っていたといい、谷医師は「レントゲンや採血検査、MRI(磁気共鳴画像化装置)の機材がだめになってしまった。1週間後の外来再開を目標にしているが、どうなるかわからない」と厳しい表情で話した。【寺町六花】

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