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台風19号 予測の難しさ強調 富岡・土砂崩れ 警戒指定基準外で 国が専門家派遣調査 /群馬

土砂崩れが起こった群馬県富岡市内匠の現場=13日午前9時、本社ヘリから

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富岡市内の土砂崩れ現場について、記者会見で説明する国土交通省砂防研究室の山越隆雄室長(右)と県砂防課の総見良二次長=群馬県富岡市役所で
富岡市内の土砂崩れ現場の様子を視察する山本一太知事=群馬県富岡市内匠で

 台風19号による土砂崩れで住民3人が死亡した富岡市内匠(たくみ)で15日、国土交通省が派遣した土砂災害の専門家が現地を調査した。発生現場は土砂災害警戒区域指定基準以下の勾配で、当時は避難勧告も出されていなかった。このため専門家は調査後の記者会見で、土砂崩れの予測の難しさを強調。自主的な避難に頼るしか被害の防ぎようがなかった現状が浮き彫りとなった。【鈴木敦子】

 調査を行ったのは国交省国土技術政策総合研究所の山越隆雄・砂防研究室長らの2人。調査の結果、土砂崩れが起きたのは階段状の地形のへりに近い部分。幅約20メートル、長さ約30メートル、深さ約3メートルにわたって2カ所が崩れ、それぞれ500~1000立方メートル(水1立方メートルの重さは1トン)程度の土砂が流出した。市内では11日午前2時から12日夕方に397ミリの総雨量を記録しており、山越氏は「大量の水がこの場所の地中に集中したと推測される」との見解を示した。

 また、発生現場の勾配の斜度は20度程度。土砂災害対策法で定められた土砂災害警戒区域指定基準の30度以上を下回っていた。県によると、砂防法や地滑り等防止法でも対策が必要な地域には指定されていなかった。

 また、富岡市危機管理課によると、過去の水害などを想定したハザードマップでも危険地域に指定されておらず、同市が12日に出した避難勧告や避難指示の対象に今回の地域は含まれていなかった。

山本知事が被災地視察

 山本一太知事は15日、土砂崩れにより3人が死亡した富岡市内匠地区など台風19号による富岡市内の被災地を視察した。

 同地区では12日夕方、住宅の裏山が崩れて住民の男女3人が犠牲となった。市などによると、現場は県が定める土砂災害警戒区域指定基準外の場所だったという。

 山本氏は15日朝、現地入りし、市内を流れる鏑(かぶら)川沿いで浸水被害を受けた地区の様子を視察。榎本義法市長などから説明を受けた。その後、内匠地区で土砂崩れの現場を視察、避難所を訪問した。

 山本氏は視察後、記者団に「土砂災害の恐ろしさを目の当たりにした。亡くなられた方、ご遺族に心からお悔やみを申し上げたい。避難所での不自由な生活をできるだけ早く解消できるようにしたい」と語った。

 自宅に土砂が流れ込んだ内匠地区の会社員、荻原大器さん(22)は「言葉よりも生活再建のための補助をしっかりしてほしい」と語り、県や自治体からの支援を求めた。【西銘研志郎】

富岡、上野、嬬恋の3自治体 18世帯45人が避難生活

 県は15日、台風19号による同日時点での被害情報を発表した。台風上陸から3日が経過したが、富岡市、上野村、嬬恋村の3自治体で計18世帯45人が避難所生活を余儀なくされているという。

 ライフラインの復旧は進みつつある。13日午前4時すぎには県西部を中心に最大で約6800世帯が停電していたが、15日午前7時半現在では22世帯まで減少。嬬恋村、神流町、南牧村の孤立地域は解消された。

 支援の動きも広がっている。県東部の自治体と栃木県内の自治体で締結している「両毛6市大規模災害時相互応援協定」に基づき、桐生市は15日、市清掃センターで、被害に遭った太田市や栃木県佐野、足利両市などからの災害廃棄物の受け入れと、被災世帯への市営住宅提供を発表。高崎市社会福祉協議会は市内で被災した世帯向けボランティア派遣のためのボランティアセンターを開設した。

 また群馬銀行は相談窓口、東和銀行は緊急窓口をそれぞれ開設し、被災した顧客からの相談を受け付けると発表している。【西銘研志郎、高橋努、増田勝彦】

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