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東日本を襲った台風19号による災害で、佐賀市のNPO法人「アジアパシフィックアライアンス(A―PAD)ジャパン」は15日、佐賀大医師らでつくり長野県に派遣された救助チーム「空飛ぶ医師団」の活動報告会を県庁で開いた。医師に同行したA―PADジャパンの根木佳織事務局長は「被災当日や翌日に被災地を手伝えたこと、遠い佐賀から支援したことを地元の方々にも知ってもらいたい」と話した。【竹林静】
派遣された医師は、佐賀大医学部付属病院・高度救命救急センターの朝日美穂さん(32)と松岡綾華さん(31)の2人。13日にA―PADジャパンの専用ヘリコプターで佐賀空港を出発し、富山空港経由で長野県に入った。河川の堤防が決壊し、大規模浸水が発生したことで周辺の住民らが避難を余儀なくされた長野市で3日間、支援活動にあたった。
長野県立総合リハビリテーションセンターでは、千曲川の氾濫で1階が浸水し、停電と断水が発生。救急車などで同センターの患者を他の医療機関へ移送した。13日時点で約200人が身を寄せる古里小学校(長野市)などでは、高齢者らを診察し、高血圧や糖尿病の患者で常備薬を持っていない避難者には投薬も実施したという。
鳥栖市出身の朝日さんは「現地に入った日は完全に停電していたので、佐賀から持っていったランタンが非常に喜ばれた。自然災害が増えている印象があるので、今後も迅速に対応できるようにしたい」。初めての災害派遣だったという松本さんは「被害の状況を飲み込めず、恐怖心を持つ患者も多くいた。不安を少しでも取り除けるような声掛けを一人一人にしながら、搬送支援をした」と振り返った。報告を受けた山口祥義知事は「人命救助のためには初日のオペレーションが大事。本当にお疲れ様でした」とねぎらった。