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ラグビーW杯日本8強 多様性と結束で開いた扉

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 ラグビー・ワールドカップ(W杯)で、日本代表が初の「世界8強」入りを果たした。

 台風19号が列島を襲った直後に13

日のスコットランド戦は行われた。終盤追い上げられたが、日本は一丸となって守り抜いた。

 試合を終えた選手たちは喜びに浸るだけでなく、被災した人たちへの思いを口にした。日本のラグビー史に新たな扉を開いた、胸を打つ一戦だった。

 日本はかつて伝統国に比べて体力的に劣っていた。だが、今大会は強豪相手でも当たり負けず、タックルを受けながら味方にボールを渡す「オフロードパス」で攻撃を展開している。

 メンバー31人中、「3年以上居住」などの代表資格の基準を満たした外国出身者が、過去最多の15人を数える。ニュージーランド(NZ)出身のリーチ・マイケル主将らが「ワンチーム」のスローガンを掲げ、日本生まれの選手たちとまさに「スクラム」を組んだ。日本代表が達成した快挙は、そんな多様性と結束のたまものだ。

 長期的戦略が実を結んだことも指摘したい。

 2003年のW杯で4戦全敗した後、日本ラグビー協会は「世界8強進出対策会議」を発足させた。3地域に分かれていた社会人リーグをまとめ、全国にまたがる「トップリーグ」も始まった。強豪チームの対戦を増やし、日本全体のレベルアップを図るためだ。

 各企業チームは強化のために外国の選手とも契約を結んだ。外国出身選手の出場枠は拡大され、長く日本に滞在する選手が増えた。

 日本代表のヘッドコーチにはNZやオーストラリアの名将を次々と招いた。南半球を中心に展開される世界最高峰のプロリーグ「スーパーラグビー」に有力選手を集めて参戦し、実戦を重ねた点も大きい。世界最前線の技術やトレーニング法が日本に直接入ることで、確実にレベルは上がった。

 20日の準々決勝で、日本は前回大会で歴史的勝利を奪った南アフリカと当たる。4年前は「奇跡」と呼ばれたが、今回は違う。4戦全勝で勝ち上がった日本が、強敵と互角に渡り合う好勝負を期待したい。

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