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台風19号の被害拡大 常態化する豪雨に備えを

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 台風19号による豪雨被害の深刻な状況が明らかになってきた。

 死者は東北、関東甲信を中心に70人を超えた。なお多くの行方不明者がいる。消防や警察の捜索により無事救助されることを願う。

 各地の避難所には一時、20万人以上が身を寄せた。建物被害は1万棟を超え、今も多くの人が避難生活を送っている。夜間の冷え込みが厳しさを増している。避難者の支援や健康管理に万全を期さねばならない。

 被害を拡大させたのは、各地で相次いだ河川の氾濫だ。

 際立つのは、東北の福島、宮城両県で阿武隈川などの氾濫により、多くの犠牲者が出たことだ。台風の通過で風雨が最も強まったのが深夜だったために、逃げ遅れた人が多かったとみられる。

 東北は従来、九州などと比べて大きな台風被害が少なかった。広域豪雨がもはや地域に関係なく常態化してきたことを示している。

 台風19号は平年より海面水温が高い南の海上でエネルギーを蓄え、日本列島を襲った。地球温暖化で豪雨災害の脅威は年々増しており、手立てを講じなければならない。

 国管理の大規模河川を含め、次々に堤防の決壊が起きた。国の治水計画は見直しを迫られよう。政府は昨年の西日本豪雨を受け、決壊が住民に危険を及ぼすおそれのある全国の河川を対象に堤防の強化などに取り組んでいる。被害の詳細を調べ、さらに問題点を洗い出すべきだ。

 一方で、ハード整備には時間がかかるという現実もある。早めの避難など、減災のソフト面での施策をいっそう充実させる必要がある。

 今回、大雨特別警報が発表された後に避難指示を出した自治体もあった。住民への情報伝達が適切に行われたか検証しなければならない。

 浸水地に高齢者施設や病院があり、孤立するケースが各地で起きた。災害リスクのある場所にこうした施設がなお多くあるのではないか。

 ハザードマップを確認したくても自治体のサイトがつながらず、やっとつながっても内容が分かりにくいなどの声も聞かれた。

 人口減少が進む中で、災害に強いまちづくりを地方でどう進めていくかは大きな課題だ。教訓を生かし、広域豪雨への備えを急ぐべきだ。

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