神奈川県が給水車に待った 山北町要望の陸自支援受けられず

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神奈川県庁=横浜市中区で、山本明彦撮影 拡大
神奈川県庁=横浜市中区で、山本明彦撮影

 台風19号の影響で断水被害が出た神奈川県山北町で、町から給水要望があったのに県が自衛隊への災害派遣要請をせず、給水を申し出て町内で待機していた陸上自衛隊の支援を受けられなかったことが判明した。県による給水支援は交通事情で遅くなり、町は「現場の声を聞いて柔軟に対応してほしい」と指摘している。

 同町では13日未明、川の増水などで水源の確保が難しくなり、最大約2500戸で断水の恐れがあると判断。午前0時50分に県と、陸自駒門駐屯地(静岡県御殿場市)に断水の可能性を伝えた。町は陸自から事前に「何かあったら相談に乗る」と連絡を受けていた。

 午前5時、陸自から町に「6時に出動できる態勢が整っている」との連絡があった。自衛隊の災害派遣は都道府県知事が要請する必要があり、町は同5時半、県に派遣要請を電話で連絡し、その1時間後に正式申請した。

 しかし県は災害派遣要請3原則のうち、公共性と緊急性はあるものの、非代替性については「県の給水車などによる支援の余地がある」として要請は不要と判断。午前8時に県の給水車を向かわせることにした。

陸自の給水車、到着していたのに撤収

 午前8時ごろには陸自の給水車3台が町役場に到着していたものの、派遣要請がないため陸自の給水車は撤収した。一方で、県の給水車が到着したのは道路混雑などで午後0時45分と遅かった。

 山北町の湯川裕司町長は「町民の生命と財産を守るのは町長だ。派遣をお願いする判断をしたことを重く受け止めてほしい。まさか県に断られるとは思わなかった」と話す。黒岩祐治知事は「町民のお怒りは当然のことと思う。心からおわびしたい」と陳謝。その上で自衛隊の給水車が町役場にいたことについて「(自衛隊が)勝手に動くということはあり得ないことで、それが起きていたということだ」と述べた。【樋口淳也、木下翔太郎】

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