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台風19号 新幹線、330億円分廃車? 床下の心臓部水没

千曲川の堤防が決壊し、浸水した長野新幹線車両センター=長野市で15日、佐々木順一撮影

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 台風19号は各地で爪痕を残したが、衝撃的な光景の一つが、どっぷり水没した北陸新幹線の車両だ。新幹線の一部区間は今も不通のままで復旧には少なくとも1~2週間かかるとされるが、あの車両がどうなるのかも気になる。果たして、修理して元通り走行できるのか。どれくらいの費用がかかるのか。【山口朋辰】

 JR東日本は16日、千曲川の堤防決壊で浸水した長野市の「長野新幹線車両センター」で、水につかった北陸新幹線車両の本格的な点検作業を始めた。全車両の3分の1にあたる10編成120両が水につかっており、専門家は「心臓部の機器の全交換は避けられず、廃車になる可能性も高い」と指摘する。

 北陸新幹線は、長野―金沢間が2015年3月14日に開業。車両はJR東日本と西日本の双方のものを使っており、東日本所有のE7系19編成、JR西日本のW7系11編成の計30編成で運用している。水没したのはE7系8編成とW7系2編成の計10編成。鉄道関係者によると、1編成12両の製造には約33億円かかるとされ、被害額は330億円以上にのぼるとみられる。

 鉄道に詳しい工学院大の高木亮教授によると、水につかった車両の床下は、モーターやブレーキを制御する電子機器が多く、高電圧の半導体もある新幹線の「心臓部」。高木教授は「乾いたとしても、通電すると火が出る恐れがあり、機器の全交換が必要」と話す。交換も、部品メーカーへの大量発注となり、時間がかかるため、「廃車になる可能性が高い」とみている。

 新幹線は沿線の電力会社の周波数を採用しているが、北陸新幹線の場合、60ヘルツ(西日本)と50ヘルツ(東日本)のどちらにも対応できるシステムを搭載した車両を使っている。このため、他の新幹線の車両に置き換えることができないという。ちなみに、東海道新幹線の場合は、沿線の変電所で周波数を変換して送電している。

 北陸新幹線は台風の影響で、長野―上越妙高間が不通のままだ。JR東日本は、仮に全線復旧しても車両が確保できないことなどから、運転本数は5~6割程度との見込みを示しており、高木教授は、通常ダイヤでの運行まで「1年ほどかかるのでは」と話している。

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