メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

台風19号 ボランティアが汗 日常復帰へ本格化 /埼玉

中庭に廃棄物を積み上げるボランティア=埼玉県坂戸市の県営坂戸東坂戸団地で

[PR]

 台風19号の通過から4日たった16日、浸水や土砂崩れに遭った県内の各地では、ボランティアらも駆け付け、日常を取り戻す動きが本格化した。一方、日高市でのウズラ飼育舎浸水など新たな被災も判明した。

    大学野球部員手伝い 東坂戸団地

     坂戸市の県営坂戸東坂戸団地では7棟の1階部分が床上浸水し、日常を取り戻そうと16日朝から片付けに追われていた。同団地にはボランティアも駆けつけ、汗を流した。

     同団地自治会長の牛久保哲雄さん(75)らによると、同団地7棟の1階50戸が床上浸水した。このうち8割が80代の1人暮らしで、台風が過ぎた翌日にボートで救助された。現在は家族の元や近くの公民館に避難し、日中は家の片付けに戻るなどしているという。

     同団地では15日にようやく断水が解消したが、浄化槽の一部機能が壊れ、トイレの使用を控えている状態。16日朝に仮設トイレが各棟に男女2機ずつ設置された。同団地には4、5階を中心に空き部屋があり、今後一時的に引っ越すなどの案も出ているが、高齢者が多いため話し合いながら対応を検討する。

     3階に住む渡辺恵子さん(67)は「当日深夜2時ごろにポコンポコンという水が湧くような音が聞こえた。階段を下りてみると1階の途中まで水が来ていた。朝になると車の天井の上が少し見えるくらいまで水につかっていた。早く日常に戻ってほしい」と不安そうに話した。

     支援のため駆けつけたボランティアは室内から畳やタンスなどを運び出し、団地の中庭には大量の廃棄物が積まれていた。

     15日午後から手伝っている城西大学野球部の4年、大塚享平さん(21)は「監督に言われ昨日は部員10人、今日は16人で来た。重いものを中心に運び出している。いつも応援してもらっているので、小さいことでも恩返ししたい」と話した。坂戸市のホームページのボランティア募集を見て同市社会福祉協議会から派遣されたという30代女性会社員は「今日は仕事が休みなので『人ごとではない』と思って来た。少しでも役に立てたら」と話し、ゴミを運び出していた。【鷲頭彰子】

    川越市社協、派遣を開始

     川越市社会福祉協議会は16日、2日前に設置した災害ボランティアセンターから市内被災地へのボランティア派遣を始めた。

     派遣したのは、荒川水系の越辺(おっぺ)川の堤防決壊で浸水被害を受けた下小坂地区に約10人、宅地の浸水被害があった寺尾地区に4人。泥だらけになった床をきれいにし、水没して使えなくなった家財道具の搬出作業などを行った。

     同協議会は市内在住者に限り新規のボランティア登録も開始。「希望者は必ず問い合わせてほしい」と話している。連絡先は同センター(080・3099・4181または080・3418・5566)。【仲村隆】

    被災3市を知事が視察

     大野元裕知事は16日、被害の大きかった東松山、坂戸、川越各市の被災地を視察し、3市役所も訪れて被害状況や要望を聞いた。

     大野知事が訪れたのは坂戸市の県営坂戸東坂戸団地や東松山市の商業施設「ピオニウォーク東松山」、入所者らが孤立した特別養護老人ホーム「川越キングス・ガーデン」など。視察終、大野知事は「100年に1度の水害だったかもしれないが、いつまた発生するか分からない。大規模災害が常態化することを想定して対策を取っていかなければ」と述べた。【仲村隆、鷲頭彰子】

    ウズラ10万羽死ぬ 日高

    ウズラ飼育舎の前で「水がこのくらいまで来た」と手で示す本木社長=埼玉県日高市新堀で

     日高市新堀の高麗川に面した「モトキ日高事業所」では台風19号でウズラ飼育舎が浸水し、約20万羽のうち半分の約10万羽のウズラが死んだ。

     事業所は川が大きく曲がった場所にあり、自社で約6メートル盛り土して護岸を造り飼育舎を建てていた。本木裕一朗社長(55)によると、12日午後3時半ごろには川の水が敷地内にあふれ、結局、地面から1メートルほどの高さまで水につかったという。

     卵の出荷は1日12万個から8万個に減り、機材や施設被害も含めて被害額は約1億円と見込む。本木社長は「やり方を考えて元通りに戻せるようにしたい」と話した。【清藤天】

    川の博物館、臨時休館 橋も流失、再開めど立たず 寄居

    荒川沿いの駐車場と本館(奥)を結ぶ「かわしろう橋」も流された県立川の博物館=埼玉県寄居町小園で

     寄居町の荒川中流域にある「県立川の博物館」は荒川の増水で屋外施設が使えなくなり12日から臨時休館している。これまでも荒川の河川敷にある三つの駐車場が水没したことはあるが、本館のすぐ下まで水が迫ったことは1997年の開館以来初めてで、再開のめどは立っていない。

     平山良治館長らによると、最高水位は普段の水面から7~8メートル上まで達したとみられる。荒川源流域から東京湾までの地形を屋外に再現した「荒川大模型」や、子どもたちに人気のウオーターアスレチック「荒川わくわくランド」などが水没した。駐車場から本館に向かう小川にかかる「かわしろう橋」も水流に押し流され、約100メートル離れた林まで運ばれた。水位は14日ごろまでには下がったが、荒川大模型の一部が陥没するなど損傷。駐車場も流木と土砂で一面が覆われている。博物館のシンボルである「日本一の大水車」は本体部分の浸水を免れたものの、地下のポンプ室が水没してポンプが故障したため動かせない状態だ。

     敷地内で最も高い場所にある本館は浸水を免れたため、臨時休館中も予約している学校に限り、本館だけで見学を受け入れている。平山館長は「なるべく早く再開できるようにしたいが、めどは立っていない。川には(人々に恵みをもたらす)良い面と(氾濫するなどの)怖い面の両面がある。こういう時だからこそ学校の見学は受け入れ、両面を学んでもらいたい」と話している。【中山信】

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. GSOMIA決裂をギリギリ回避 防衛省幹部も驚いた急転直下の裏側

    2. 小学生バレーボール体罰 一部の保護者、口止め誓約書を配布 「情報漏らした」と正座させ詰問も

    3. 電車とホームドアの間に巻き込まれ医師死亡 稼働前で線路側に入れる状態 京急・上大岡駅

    4. 男子SPは羽生が貫禄の首位発進 フィギュアNHK杯

    5. ORICON NEWS ヒゲダン・藤原聡、一般女性との結婚報告「気持ちを新たに人生を歩む」

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです