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変革

第10部 マルハニチロ/20止 人権と環境、旗印に

記者会見でSeaBOSの意義を説明する伊藤(左)=昨年9月、SeaBOS提供

 2015年3月、AP通信が世界に配信した1本の記事はマルハニチロにとって衝撃的な内容だった。インドネシアの小島に閉じ込められたミャンマー人が漁船で奴隷労働を強いられていることを暴き、魚の売り先の一つとしてマルハニチロのタイ子会社キングフィッシャー(KF)の実名が挙げられていた。

 対応を協議するKFの役員会は紛糾した。魚の調達先からは「奴隷労働にかかわるものは売らない」との誓約書を取っていた。購入をやめれば1割を超える利益が失われる。KF社長の武田信一郎(59)=現マルハニチロ常務=はより厳格な誓約書を取ることで継続しようと考えていた。しかし、社外役員の英国人弁護士は「そんなグレーな対応は日本で通用しても、欧米では通用しない」と強硬に反対。対外的に公表するため用意したコメント文を「こんなものはゴミだ」と破り捨てた。普段は温厚な英国紳士の厳しい姿勢に事態の深刻さを共有した役員会は、魚の調達の断念を決めた。

 さらに同年12月、タイ国内のエビの殻むき工場で児童労働が強いられているとの報道があり、KFはすぐに…

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