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第69期王将戦リーグ特選譜

初戦の羽生がきわどい攻防を制す 豊島は悔しい2敗目

第69期王将戦リーグの対局を振り返る豊島将之名人(左)と羽生善治九段=東京・千駄ケ谷の将棋会館で2019年10月16日午後8時33分、丸山進撮影

 いよいよ、羽生善治九段が第69期大阪王将杯王将戦リーグに登場する。通算獲得タイトル数99期、永世7冠は言うまでもなく、王将戦では通算12期で大山康晴十五世名人に次ぎ永世王将の資格を獲得した。しかし、第66期にリーグから陥落し、その後2期続けて2次予選で敗退して復帰は果たせなかった。3期ぶりの王将戦リーグ。挑戦権を獲得すれば、タイトル通算100期の大台に挑むことになる。【山村英樹】=▲が先手、△は後手

 1回戦が抜け番だった羽生は、他の6人に比べ半月以上遅れてのリーグ参戦となった。日程の都合から初戦は3回戦で組まれていた豊島将之名人との対戦となった。豊島は前局で藤井聡太七段に勝って2勝1敗の勝ち越し。本局に勝てば挑戦権争いで大きく前進する。だが、敗れると2勝2敗のタイで、残り2局に連勝してどうなるかという状況になる。羽生にとっても初戦の勝敗は大きな意味を持つ。過去の対戦成績は16勝16敗とまったくの五分だ。

<第69期大阪王将杯王将戦リーグ3回戦>

2019年10月16日

持ち時間各4時間

場所・将棋会館

▲豊島将之名人(2勝1敗)

△羽生善治九段

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩

▲7八金 △3二金 ▲3八銀 △7二銀1

▲6八玉1 △4二玉8 ▲7六歩4 △8六歩2

▲同 歩 △同 飛1 ▲3六歩 △3四歩8

▲3七桂16 △7四歩10 ▲2四歩3 △同 歩1

▲同 飛 △7三桂 ▲3四飛18 △7六飛4

▲3五飛5 △8八角成9▲同 銀 △4四角

▲7七銀12 △3五角16 ▲7六銀 △4四角

▲8八歩23 △2七歩9 ▲2九歩 △3三桂22

▲4六角14 △2二銀43 ▲8四飛16 △3五歩7

▲同 歩15 △7五歩3 ▲8七銀61(第1図)

 2人の最初の対戦も王将戦だった。2010年の第60期リーグ戦、当時20歳の豊島が羽生に勝ってタイトル初挑戦につながる白星を挙げた。豊島は久保利明王将(当時)に2勝4敗で敗れ、タイトル獲得はならなかったが、その後も4期連続、羽生とリーグ戦で対戦して2勝2敗。この間、偶然にも他棋戦で対戦することがなく、王将戦リーグの4局がそのまま最初の4対局になった。

 その後、豊島は14年の王座戦五番勝負、15年の棋聖戦五番勝負でいずれも羽生に挑戦して接戦を繰り広げながら敗れた。羽生に勝たなければタイトル獲得ができない状況だった。そして、昨年の棋聖戦五番勝負、豊島は羽生を3勝2敗で破り、初タイトルを獲得する。羽生は通算100期目の獲得を逃し、年末には無冠になってしまった。

 豊島はその後、王位も獲得。今年は名人にも就位した。棋聖、王位を立て続けに失ったが、現在、竜王戦七番勝負で広瀬章人竜王に挑戦、先勝した。

 羽生は2手目△8四歩で「相掛かりでも、角換わりでも」と豊島に戦型選択のげたを預けた。豊島は相掛かりへ進める。2回戦の藤井戦も相掛かりだった。本局は互いに飛先の歩を交換し、ともに横歩を取り合う激しい展開になった。

 そこまでは先後同型の進行だったが、▲3五飛には「引かれたら仕方ありませんね」(羽生)と角交換。そこから飛を取り合う進行になり、激しさは一層増した。▲8七銀(第1図)は1時間1分の長考で、豊島は▲4四飛と切り、△同歩▲7四歩△3六歩▲7三歩成△3七歩成▲7二と△3八とも考えたようだが、「(こうは)できないですね」と本譜を選んだ。

 激しい展開と述べたが、実戦はさらに過激さを増す。

 第1図以下の指し手

△3六歩2 ▲8二飛成 △3七歩成12▲7三角成

△3八と1 ▲7二馬 △4九と ▲6一馬

△3一玉 ▲6六銀 △3八飛52 ▲5八桂1

△6九銀3 ▲4三馬3 △5八飛成2▲7七玉

△4二金打1▲4四馬 △7八銀不成▲8六玉7

△8七銀不成1▲同 歩 △7八竜9 ▲7七金10

△7六金1 ▲8五玉 △7七金 ▲同 桂

△8七竜3 ▲8六歩 △9二金 ▲8一竜2

△4一歩(第2図)

 前述のように豊島は竜王戦七番勝負で広瀬に挑戦中。番勝負を戦いながら他棋戦を戦うのは、これまでも経験がないわけではないが、羽生が複数タイトルを保持していた時の切り替えの早さは見事だった。さまざまな相手と対戦しながら、思索を深め、相手の長所をよく学んで自分の力を伸ばしていった。もちろん、かつての羽生にも現在の豊島にも体力面でのきつさはあるだろうが、対局を重ねることは自分自身…

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山村英樹

1981年入社。青森支局を経て1986年から東京学芸部で囲碁将棋などを担当。

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