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台風19号 農作物が大打撃 米、モモ、キュウリ… JAが災害対策本部 /福島

台風19号の強風でビニールハウスのパイプが折れ曲がり、枝折れなどの被害を受けたブドウの木=福島県会津若松市北会津町の観光果樹園「フルーツランドよよぜん」で

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 台風19号で農産物が大きな被害を受けたことを受け、JAグループ福島は災害対策本部を設置し、17日、福島市で初めての本部会議を開いた。各団体から米を中心とした被害が報告された。被害は全県規模に及んでおり、最終的にさらに拡大するとみられる。【柿沼秀行】

     対策本部は県内各JAの組合長や共済連、農林中金の県代表らで構成。農産物の被害の回復や施設復旧の対策を講じ、農業経営の継続支援をする。会議の冒頭、JA福島中央会の菅野孝志・代表理事会長が「国や県、関係市町村への要請など、具体的に対処したい。資金や技術指導など、最低限やらなければならないことを確認しながら取り組みたい」とあいさつ。県は16日現在で、約30億円(17日に約46億円と公表)の被害が出たとしているが、「集計段階の金額で、被害はさらに拡大する」との見通しを示した。

     会議では各JAから被害が報告された。ほぼ全県で米が被害を受けたほか、果物でも、収穫後に泥が流れ込んで来年に向けての作業に影響が出そうなケースもあるという。このほか、米倉庫や農機、事務所なども大きな被害を受けた。

     阿武隈川の氾濫で大きな被害を受けた「JA福島さくら」の郡山地区では、水田計222ヘクタールが被害を受け、うち5割で稲刈りが済んでいないという。畑も計55ヘクタールの被害が確認された。たむら地区(田村市、三春町など)では水田1109ヘクタールが被害に。いわき地区は162ヘクタールに上っている。いずれも16日現在の判明分だ。流域の酪農家で29頭のうち19頭の牛が死んだとの情報もある。

     このほか「ふくしま未来」の国見地区ではモモ計約110ヘクタールが冠水。霊山地区では水稲、カキ、イチゴ、キュウリなど計15ヘクタール以上が冠水、流出などした。また、繁殖牛舎に土砂が流れ込む被害も報告された。

     対策本部では被害の実態を早期に把握し、JAグループの支援策を検討していくとした。

    会津の観光果樹園も 枝折れ落果 農家ショック

     農業が基幹産業である会津地方でも、農作物の被害が相次いだ。ブドウやリンゴ狩りなどのシーズンを迎えている観光果樹園では、強風による枝折れや落果などがあり、農家は肩を落としている。

     会津若松市北会津町の観光果樹園「フルーツランドよよぜん」では、ブドウを栽培するビニールハウスのパイプが折れ曲がり、めくれ上がるように損壊した。被害は5棟に上り、紅伊豆と巨峰の2本の木で枝折れなどした。従業員の斉藤雄一さん(56)は「園で働いて十数年になるが、こんなひどいのは初めて。ハウスは補修できないのではないか」とショックを受けていた。

     ブドウ狩りは今がシーズン。幸い、被災した木は収穫した後だったため被害は少なくて済んだが、斉藤さんは「来年以降、傷んだ木の生育に影響が出ないか心配だ」と話した。【湯浅聖一】

    消毒し排水放出 緊急措置を開始 県北浄化センター

     県は17日、生活排水を処理する県北浄化センターが台風19号で被災したため、消毒のみを施して排水を放出する緊急措置を開始したと発表した。放出はすでに15日から始まっている。

     県下水道課によると、同センターには福島市の一部と、伊達市、桑折町、国見町からの生活排水が流れ込む。センターは宮城県との県境にあり、放出した排水は阿武隈川の宮城県側に流れ込む。

     センターは台風で水没し、浄化施設が使えなくなった。一方で下水は流れ込むため、15日午後1時ごろから、塩素消毒のみで放出を始めたという。放出に際しては大腸菌などの基準値が設定されているが、検査結果がまだ出ておらず、基準を満たしているかは不明。今後、沈殿槽の健全性が確認されれば、1カ月程度で簡易処理を始めるが、完全復旧には2~3年かかるという。【高橋隆輔】

    本宮の災害ごみ仮置き場で火災 受け入れ一時中断

     本宮市で台風19号による災害廃棄物の仮置き場となっている同市高木の本宮運動公園東側にある「みんなの原っぱ」で、17日午前8時50分ごろ、「白煙が出ている」と市役所の職員から消防に連絡があり、ごみの受け入れが一時中断された。家電類など約4平方メートルを焼き、約40分後に鎮火。けが人はいなかった。市などが原因を調べている。【寺町六花】

    郡山メッキ工場、毒劇物が流出 住民に健康被害なく

     台風19号による阿武隈川の氾濫で郡山市富久山町福原の「エム・ティ・アイ」メッキ工場から、毒劇物のシアン化ナトリウムが流出したと市が16日、発表した。付近の浸水家屋20世帯の住民50人の健康調査では、健康被害は確認されていない。

     市によると、浸水した同社への立ち入り調査で流出を確認。工場出口調整池の貯留水を検査し、シアン化合物の排水基準である1リットル当たり0・5ミリグラムの46倍に当たる同23ミリグラムを検出した。工場からの排出水が阿武隈川へ流入する直前地点の検査では同0・3ミリグラムを検出しており、引き続き貯留水の回収と検査を継続する。【笹子靖】

    「まずは逃げて」きょう・あす大雨への注意を 県対策会議

     台風19号の被害状況について、県は17日、7回目の災害対策本部員会議を開き、18日から19日にかけて予想される大雨への注意を呼びかけた。

     福島地方気象台は、19日午前を中心に雨が強まると報告。特に中通り、浜通り地域では大雨警報級となる可能性が「強」としている。浜通りでは18日午後6時からの24時間雨量が100~150ミリと予想され、台風19号の大雨で緩んだ地盤で新たな土砂災害が起きる可能性や洪水の危険性が高まるとしている。

     これを受け、避難に関する情報を通常より早めに出すことを市町村に助言するよう、国土交通省から県に連絡があった。土木部からは、県管理の23河川の決壊48カ所のうち、まだ22河川45カ所で応急対策が済んでおらず、18日までに大型土のうを積む作業を急ピッチで行うとしている。担当者は「パトロールしながら通行規制など必要な対策を取りたい」と話した。災害対策課は「まず逃げてほしい」と強く訴えていた。【柿沼秀行】

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