「水俣条約」会議参加へ 胎児性患者・松永さんに託された思い

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
第3回締約国会議出席を前に抱負を語る水俣病の胎児性患者の松永幸一郎さん(左)。右は第1回に出席した胎児性患者の坂本しのぶさん=熊本県水俣市で2019年10月10日午後1時4分、田鍋公也撮影
第3回締約国会議出席を前に抱負を語る水俣病の胎児性患者の松永幸一郎さん(左)。右は第1回に出席した胎児性患者の坂本しのぶさん=熊本県水俣市で2019年10月10日午後1時4分、田鍋公也撮影

 「公害の原点」とされる水俣病と同じ被害を繰り返さないために定められた「水銀に関する水俣条約」の第3回締約国会議(COP3)が11月にスイス・ジュネーブで開かれ、胎児性水俣病患者の松永幸一郎さん(56)=熊本県水俣市=が出席する。同じ胎児性患者で、2年前の第1回会議でスピーチした坂本しのぶさん(63)=同=の思いを引き継ぎ、公式確認から63年が過ぎても続く水俣病被害の深刻さや規制の大切さを再び全世界へアピールする。【城島勇人】

 「水俣病は終わっていない。それを伝えてほしい」。10月10日、渡欧を前に面会に訪れた松永さんに、坂本さんは思いを託した。第1回会議で非政府組織(NGO)に招かれ、患者を代表して「お母さんのおなかの中で水俣病になりました。女性や子どもを水銀から守らねばならない」と身をもって水銀被害を訴えた坂本さん。「思いは一緒。被害の実態を伝えます」。今回、同じ立場で演説する松永さんは、坂本さんの手を固く握った。

この記事は有料記事です。

残り800文字(全文1215文字)

あわせて読みたい

ニュース特集